『大統領選』

やましん(テンパー)

『大統領選』

 【これは、すべてフィクションです。また、世間様に対抗する意志はございません。】


                 ⚾



 アナ


 『さあ、いよいよ、大ずめデス。


 ツーアウト、満塁、カウント、スリーボール、ツーストライク。


 回は9回裏。


 得点は1対1。


 一打、サヨナラです。


 守るタイマイ・ケンキンズは、アジア代表です。


 攻めるタッケンキー・ボルケーノは、南北アメリカ代表。


 貴賓席には、宇宙ごきの、地球総督閣下の姿も見えます。


 ここは、大西洋のど真ん中にある、アトランティック・スタジアムであります。


 勝った方が、次期地球人類自治政府の大統領の座を射止めます。


 さ、ピッチャー、かまえて~~~!


 投げましたああ!


 おあああああああああああああ!



    ********************



 ねこママの店のテレビで観戦中のごき大将。


 『ふん。くだらんごき。ドッチガ勝っても、お飾りだごき。良く人類は、こんな茶番に付き合ってるゴキ。信じがたいごきなあ。』


 すると、カージンゴが応えました。


 『前回は、サッカーだったかあ~~。次回は、ラグビーに決まったかああ~~~~~。』


 『まあ、任期が一年だからね。』


 と、なぜか、釈放されたやましんが言った。


 『やましんさんが、ここにいられるのは、大将さんのおかげにゃん。』


 と、ねこママ。


 『分かっております。はい。よく。でも、ママは、どこから、仕入れるのかなあ?この、チキンライス?』


 『にゃんこ。』



 やましんちの周囲、300キロ範囲は、宇宙ゴキにより更地化され、なんにもなかったのである。


 ただ、ドロン発着場だけが、すっぐそばに、整備されていたのだ。


 何を作るつもりなのか。


 まだ、わからない。


 噂では、新兵器の実験場ではないか、と、言われる。


 ママは、もしかして、それを知っていて、新しい顧客の開拓を狙っているのかもしれなかった。


 住んでいた人類は、収容所か、人類地区、に送られたのである。


 やましんちが残っているのは、地下に潜む各勢力と、宇宙ゴキの駆け引きの結果である。


 やましんが大事な訳ではない。


 ここには、地下深く、地球ゴキの切り札、全滅ミサイルが、あるのだ。

 


                🚩

 

                       おわり

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『大統領選』 やましん(テンパー) @yamashin-2

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