〈他家紹介13〉〈宗派紹介13〉
〈他家紹介13〉
最上氏
清和源氏足利氏の分家の斯波氏の流れで奥州探題斯波家長の次男、斯波兼頼が始まり。その斯波兼頼出羽大将を号して山形に下向した。当時出羽における南朝方は寒河江大江氏(寒河江氏)などの大勢力が有り、兼頼は養子を入れるなど切り崩し工作を行う。
1367年(正平22年/貞治6年)、当時の鎌倉公方足利基氏が死去すると南朝方が蜂起し、漆川の戦いが起きる。総大将を鎌倉公方足利氏満に事前の周到な根回しを行っていた斯波兼頼は優位に戦いを進め、寒河江氏は一族から63人の自害者を出す大打撃を受けて降伏し、以後出羽における南北朝の争いは終息していく。斯波兼頼はそのまま最上郡に残り、土地の名から最上氏と改めた。
その後、天童や黒川などに息子らを移封し最上・村山地域の勢力を盤石なものとしていく。しかしそれも室町時代の半ばには最上本家で養子など出入りが激しくなったことを受けて緩み、一族内で惣領争いが生じる。
その隙をつくように伊達が北上を開始。1514年(永正11年)には長谷堂城を伊達稙宗に攻め落とされ、和睦のために稙宗の妹を最上義定に輿入れさせられる。その最上義定は子の居ないまま亡くなり、稙宗の妹が未亡人として残ることとなった。このため伊達の影響力が大きくなることを恐れた最上一族は結束して反抗する。
数年に及ぶ反抗を続けた後、1522年(大永2年)、中野義清の二男義守が最上宗家の跡継ぎとなる。なお最上義守はこのとき2歳で依然として伊達の支配下に置かれていた。
転機が訪れるのは東北を揺るがした天文の乱で、当初稙宗側に付いて村山郡の支配権を確固たるものにし、後に晴宗が優位になると寝返っている。そしてこの天文の乱に乗じて伊達の影響下から脱している。
最上義光に家督を譲った後、ようやく戦国大名化をめざすが半独立の天童が邪魔であり、これを討って臣従させている。
その後は佐竹や蘆名などと組んで伊達政宗を攻めるが摺上原で蘆名が大敗を喫することで水泡に帰した。翌年には小田原攻めに参陣し本領を安堵され、朝鮮出兵では名護屋城に陣を構えた。
なお娘の駒姫が豊臣秀次の室に取られ、さらに秀次とともに処刑されたことをきっかけに豊臣を見限り徳川に接近していく。関ヶ原合戦では上杉軍を長谷堂城で迎え撃つも、上杉軍の別働隊が山形城に攻め寄せていたため伊達政宗に援軍を要請する。伊達軍は直接戦闘には参加していないが上杉軍を引き止める一助となった。その後57万石の所領が認められたが跡継ぎ問題でお家騒動となり改易、近江国1万石に減封され、さらに5千石まで減封。交代寄合となって江戸時代を過ごし、幕末期には幕府の大番頭であったがいち早く朝廷に帰順している。
天童氏
最上氏の庶流で斯波直家が次男の頼直を天童に封じたのを始めとされる。
ちなみに天童の名の由来は北畠顕家の子孫と言われる天童丸が住んでおり、民衆から慕われていた。天童丸が去った後、斯波大崎氏に列なる里見氏が入部し、天童丸の名を使って民心掌握を計って天童を地名に使用したとされる。
その里見氏に頼直が継ぐときに里見の所領も継いでおり、天童氏独自に庶家を分封している。このこともあり、大崎氏からは最上と天童は同列の扱いを受けていた。
最上義守が跡継ぎになる段にあっては天童氏の協力が大きかったこともあり、最上一族のなかでも大きな影響力を有していた。
これに対して最上義光の代になると強引に領国化を推し進め、さらにそこに最上宗家の家督争いも加わる。天童頼久はその反義光の急先鋒として戦うも、徐々に反義光派の諸勢を切り崩され天童城を脱出して国分氏を頼り、以後伊達家臣として存続した。
〈宗派紹介13〉
吉田神道
室町時代の神道家。元々祭祀系貴族卜部氏の流れで神祇大副を努めつつ、日本書紀などを中心に神道説等をまとめた。仏は日本の神と同等視する本地垂迹説(権現思想)に対して反本地垂迹説を取った。すでに反本地垂迹説を取っていた伊勢神道は南朝方であったため勢力を失っており吉田神道がこれに変わり、反本地垂迹説は一応の完成、強化がなされた。神道から仏教、儒教、陰陽道などの習合における矛盾点を巧妙に解釈したりしている。ちなみに伊勢神宮で塩をまいて吉田神社に天照大御神が降臨されたと偽り、伊勢神宮から非難されたこともある。
なおそれまで白川家が実務関係を担っていたが、吉田家に大部分移譲され江戸時代の初期には全国の神社を管轄するようになり、全盛期を迎える。なお江戸時代後期になると平田篤胤が提唱する復古神道が興隆し、明治時代になると神祇官が復活したことで衰退した。
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