イキカタ

rottann

混沌と秩序の中に生き方を

四角い箱の中でずっと自問自答している...

なぜルールに縛られないといけない?

なぜルールを守らないと社会不適合者と言われる?

いや、何故かは分かっている、でも認めたくないんだ

こんなの子供の我儘だと知っている。しかし

いつも通りの時間に起き

いつも通りの時間に電車に乗り

いつも通り学校につき

いつも通り帰って寝る

いつも通り、いつも通り...もう嫌だ、こんなの

秩序?なんだよそれ、誰が決めたんだ?もう私はルールになんか縛られない!この欲望を聞いて!


ピピピ

機械音がする...なんだろう...ん?機械音?

やばい!起きないと!

そして起きる、寝起き特有の体のだるさやしんどさからぼーっとしていた、口の中が乾燥し張り付き

気持ち悪い。

そして時計を見ると7:25と表記されていることに気づく。

「やば!もう行かないとダメじゃん!」

朝の謎の時間の速さは未だに納得いかないな

と思いながら急いで制服に着替え家を出る

「あの夢はなんだったんだろう?ルールに縛られない?そんなの無理に決まってるのに...あれ?隣の席の子なんて名前だっけ...??」

そんな事を考えながら学校につき授業をうける

もうすぐ12時だ、お腹がすいて授業に集中できない

そして12時のチャイムと同時に意識が飛ぶ


ピピピとまた機械音がする、慌てて起きあがる

今時刻は0時だ

あれ?昨日の12時からの記憶が無い...

12の記憶が無い

何があった?お腹がすきすぎて倒れたか...?

いやそんな訳ない、もしそうなら今頃病院にいるだろう。思い出そうとしてもまるで黒い靄がかかったかのように思い出せない。もしかしたら何かの病気かもしれない、パソコンで調べる。

「12時間の記憶が無くなる病気なんかあるのかな...?」

一過性全健忘...?いや症状は似ているが違う...よく分からないな...

明日...いや0時をまわってるから今日か、学校から帰ってきたら病院に行こう、電気を消しベッドに横たわる、視界が暗転し眠りについた、

「...私はお前だ、私から逃げるな」

光が差し込み顔にあたる、眩しくて咄嗟に目を開ける、夢の内容を思い出せない

朝の支度をしいつも通り学校に行く

学校に着くなり、周りの人の視線が痛い

「?」

近くの席の人に聞いてみる

「みんなどうしたの?」

その子は怯えるように離れていく

仲のいい人に聞いてみよう

「どうしてこんなに怯えられてるの?」

「は...?昨日あんだけの事しておいて?」

「え...?」

何がどうなっているか、理解できない、頭が回転しない、思い出せない...

「何があったのか教えてくれない?」

「あんた...まさか覚えてないとか言わないよね?」

「そのまさかなんだけど...」

「呆れた」

呆れたと言いつつも教えてくれる所が優しいな、と思いつつ話を聞いた、話の内容をまとめると、私が急に周りの人に暴力を振り、先生までをも脅し、そして急に帰ったというのだ、意味がわからない、私が暴力を振るった...?私は咄嗟に逃げ出す。

近くの公園に行くと、周りの人が私を見ながらひそひそと話しているのを感じた、その人に話を聞こうとすると

「社会不適合者が、家から出てくるなよ...」

などと謂れのない事を言われる

ただただ傷ついた、泣きながら家に帰る、時計を見ると11:49分辺りを指していた、泣き疲れてベッドに横たわる、12時になった、また記憶が飛ぶ、次に気がついたのは公園のベンチだ、手には缶チューハイがあった

「なに...これ?」

缶チューハイを投げ捨て、その場から逃げるように走り出す

そして親友のに助けを求める、

朝凪あさなぁぁ!」

「何事!?なんで泣いてるのよ!?」

事情を話した

「なるほどね...それって多重人格とか言うやつじゃないの?最近何かストレスのかかった事あった?」

「いや...特に...」

「じゃあさ!12時までここに居てよ!どうせ行っても辛いだけでしょ?」

「うん...わかった」

12時になるまで楽しんだ

12時になった。

「かわった!?」

「あれ...意識がまだある...?」

何故だろう、意識がまだある

「変わってないじゃんか」

「違うの!昨日本当に...意識が飛んで...」

「んー...じゃあ何かトリガーがあるとか?」

「トリガー...?何それ?」

「この条件でその意識が飛んだ状態になるとか」

「最近何か変わったこととかあった?」

「特には...あ!でも夢でルールに縛られないみたいなの言ってる人がでてきた!それくらいかも...」

夢の内容の詳細を朝凪に話す

「んー変な夢だね...ルールに縛られないってなんだろう..」

「...謎だらけだね...明日不安だな...」

「じゃあ明日は学校にいっしょに行くよ!」

「不登校気味の朝凪が学校に行くなんて...珍しい」

「だって気になるもん」

朝凪と一緒にいると安心する

7:30になった、学校に朝凪と一緒に行く、皆の視線が痛い、でも朝凪が「気にしなくていいよ」とその一言で楽になった、すごいな朝凪は...

そして授業を受け12時のチャイムがなる、その瞬間意識が飛んだ

次に目が覚めたのは朝凪の部屋だ。

「昨日どうだった!?」

「...すごい有様だったよ...」

沈黙が続く

「本当に家に連れて帰るのしんどかったんだからね!」

朝凪は気を使ったのか笑いながら話している

「でも何で12時間なんだろう...まだ分からない...謎が多すぎる...」

朝凪は私が何をしたのかを話そうとはしなかった

朝凪なりの優しさなのだろう

「もうさ、私の家でいたら?家に帰るのだけでもルールを守っている判定になるかもしれないし...」

「解決策を探しながら過ごせばいいよ!」

その優しさすら痛い

「なんか...もう疲れたな...」

私はこの数日間だけでどれだけ人間が怖いかを認識した、心が疲れているのを感じる、ネガティブ思考しか出来ない、ルールってなんだろう?何故みんなに合わせなければあんな視線されるんだろう、人間という物に疑問を抱いた、だが逆に考えてみよう、

暴力を振るって未成年飲酒なんかしてる奴がいたら今まで向けられた視線をその人に向けるかもしれない、その人が悩んでいて自暴自棄になって助けを求めていても...自分がそれを向けられたら辛いのに相手には簡単に向けてしまう、言われたら辛いのにその言葉を簡単に人に放ってしまう...何故だろう...この世界は汚いな...私も...みんな汚い!

「もう迷惑をかけたくないや...家に帰るだけで暴れる可能性があって...それってただの社会不適合者じゃん...もういいや...」

「人に頼ってもいいんだよ...!ただ何もしない無力っていうのがいちばん怖いんだよ!」

頼ってもいいという言葉に支えていた何かが崩れた

それからずっと、泣いた。

そしていつの間にか泣き疲れて寝ていたようだ。


「貴方は誰?」

「私はお前だ」

「貴方は何?」

「私はお前の存在そのものだ、逃げるな私から。逃げるな、現実から」


四角い箱の中自問自答を続けるという自分の中に作った虚像に

周りの友達や学校などの偽物に

そして、その偽物の中の本音すら目を瞑った

そしてその自問自答の中で答えを見つける

「自分一人で抱え込まない、人に頼ってもいい」

...と

四角い箱にどんどん色が着く、どんどん鮮やかになる、そして白い光に包まれた。


次に見えた光景は病院の精神病棟だった

医者曰く、いじめからの極度のストレスから鬱になり暴れていたのだと言う、そのため12時間、ご飯やお風呂などの生活に必要なことを終えると麻酔薬で眠らされたのだという、麻酔薬は12時間で効果が切れるため、現実に戻されていたから12時間だけ意識が無くなっていた、12時間で戻らなかった時はその医者のミスで、麻酔の配分を間違えたのだという、そのおかげで自分の中で整理ができ、鬱が治ったのかもしれない。

12時間が終わった後になっていた状態は現実でしたことが反映されるらしい。


意識が戻って喜ぶ両親を横目に外を見た

「案外綺麗だな...」

今でもまだ夢に見るのことを思いながらそっと目を閉じた

あの12時間の夢は私にとって1番と言えるほど必要だったのかもしれない...

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