第6話 はっぴょうのじかん、みーこちゃんのこたえ
つぎのひ、はっぴょうのじかんがやってきました。
「みんな、しゅくだいはかんがえてきましたね?
では、ひとりずつみんなのこせいを教えてください。」
みんな、じぶんがみんなとちがうところをはっぴょうしていきます。
ぞうのてるみちゃんのように、みためがちがうところ、とりのぴぃたくんのようにとくいなところ、じぶんしかできないところ、なまけものののんたくんのように、にがてなところやいいところ。
そして、とうとうさいごにみーこちゃんのばんがやってきました。
「みーこちゃん、みーこちゃんのこせいはなにかな?」
りこせんせいにきかれたみーこちゃんは、こたえました。
「はい、わたしのこせいは”みーこであること”です。」
きょうしつがしずかになりました。
そして、ざわざわしはじめました。
「え、どういうこと?」「こたえになってないじゃん」そんなこえがきこえてきて、みーこちゃんは、やっぱりまちがっていたのだと、なきそうになりました。
「はーい、みんなしずかに。みーこちゃん、どういうことかおしえてくれる?
だいじょうぶ、まちがいなんてないよ。」
りこせんせいのことばで、みーこちゃんは、ゆうきをふりしぼってこたえました。
「わたしは、くまでおんなのこで、うんどうがとくいで、べんきょうがすこしにがてです。それから、あまいものがすきで、にがいやさいはにがてです。せいかくは、ともだちにはやさしいっていわれるけど、おとうさんにはすこしわがままなところがあるともいわれます。わがままなところはなおしていこうとおもいます。くまのこも、うんどうがとくいなこも、あまいものがすきなこも、わがままなこもたくさんいるので、”こせい”とはいえないかもしれません。
でも、わたしはわたししかいません。
だから、わたしがみんなとちがうところ、”こせい”は”みーこであること”です。」
みーこちゃんのはっぴょうがおわりました。
「みーこちゃん、ありがとう。みーこちゃんのはっぴょうがいいとおもったひとははくしゅしてみよう。」
みーこちゃんは、だれもはくしゅしてくれないのではないかと、すごくどきどきしました。
パチパチパチパチ!
しかし、おおきなはくしゅがきこえてきて、みーこちゃんはほっとしてうれしくなりました。
「うん、よくできましたね。みーこちゃんだけじゃなくて、みんなもよくできました。みんながはっぴょうした"こせい"はもちろんみんなの"こせい"です。でも、はっぴょうしたこといがいにもみんながきづいていない"こせい"もたくさんあります。
せんせいは、こんかい”こせいをさがすこと”をしゅくだいにしましたが、こせいはさがすものではないとおもいます。じゃあ、なんでこんなしゅくだいをだしたのか。それは、みんなひとりひとりちがって、みんながとくべつであるということをわかってほしかったのです。
むりに、みんなとちがうひつようも、おなじであるひつようもありません。
だから、ひとりひとりのこせいを、みんなとちがうことを、からかったり、ひていすることはできまん。
もちろん、みんないいところやとくいなこともあれば、わるいところやにがてなところもあります。まわりのひとにめいわくをかけてしまって、じぶんでもなおしたほうがいいとおもうところ、にがてだけどじぶんができるようになりたいことは、がんばってかえていくことができます。
”こせい”、つまり、みんなは、ひとりひとりちがって、とくべつで、かわっていくこと、かがやくことができるのです。
それをわすれないでくださいね。」
「はーい!」
りこせんせいのはなしがおわり、わからないところがあるこもいたけれど、じぶんがとくべつであることをわすれないようにしようと、みんなはげんきにへんじをしました。
みーこちゃんは、しゅくだいをかんがえるのはたいへんでしたが、こんなにとくべつで、みんなもじぶんもすきになれるしゅくだいはないとおもいました。
みーこのとくべつなしゅくだい 西山要 @kaname0919
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