第2話 どん底に残された物



「私はただの無力な小娘だった」


「それをある日、唐突に思い知らされた」


 この痛みを忘れない


 雨にうたれて 迷った小道


 泣き喚いて 這いつくばった


 無力が悔しくて


 力がほしいと願った


 世界は灰色で


 私はその時全てを失っていた


 ゼロよりも低い


 マイナスになって


 私の心を地面より深い谷底へと突き通していた


 どんな時でも世界中を恨んでいた


 何事もなく笑っていられる人達を眺めては睨みつけていた


「何もかも手のひらから零れ落ちて、残ったのはこの体だけ」


「でも、まだ私がある」


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詩集Y どん底から這い上がる者 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032

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