第2話

陽平はたくさんのよくわからないサークルからの勧誘を受けた報告を聞いて呆れながら家に帰った。


「まったく俺の何がそんなに変わった部活を惹きつけるんだよ……」


そう呟きながら家のドアを開けると母親が出迎えてくれる。


「ただいまー」


「あ、陽平惜しかったね。さっきまで大学のサークルの人がわざわざ陽平にうちの部に入って欲しいって誘いに来てたんだよ」


「まさかふ菓子とかゼリーとかプチプチとかの関係者じゃないだろうな……」


陽平の頭の中には先程まで部室での侑斗とのやり取りが頭によぎり、なんとも言えない不安に駆られる。


「なんだいそれ?あんた野球部に入るんだからちゃんと野球部の人からの連絡だよ」


「なんだ……よかった。」


陽平はホッと安堵のため息をついた。


「これ封筒の中に今後の予定について書かれてるよ」


「わかった。あとで読んどく」


そう言って2階の自室へと上がり、椅子に座って封筒をハサミで丁寧に開けていく。


“野球経験者が野球ボールを使ってお手玉をする部 (通称:野球部)に推薦で入った方向け今後のスケジュール表”


中身をみて陽平は絶句し、しばらく体が動かなかった。


「俺もうA大学の推薦断る!」


その叫びは近隣住民にもしっかり聞こえていたという。

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取り合われても困る 西園寺 亜裕太 @ayuta-saionji

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