第四話ファースト・コンタクト

『……ぼくは気をうしなってしまったのだろうか?』

空は自分に問いかけながらも、まだベッドの中で夢を見ているつもりだった。不気味な化け物を見た謎の光をおいかけてもりのなかに入りこんだのも、ぜんぶ夢だ。そう思い込んだ。

『……それから、どうなったんだっけ?』

s空ははっきりしないいしきのなか、おそるおそる、目を開けてみた。

  まぶしい光をみたせいか、周りが真っ白で、おぼろげにしか見えない。

「「どうやら、お気づきになられたようだなもし」

ききなれない大人の声だ。しかも、なんて、たどたどしい言葉遣いなんだろう。

「「だいじょうぶかな?」

もう一人の声は、自分と同じ歳くらいの少年のものらしい。だが、どこかsできいたことのある声だ。

dだんだんあたりが見えてくる。どうやらここは白い壁に囲まれた部屋の中らしい。しかし、いったいなにがどうなっているのかさっぱりわからない。

天井のほうだけ真っ暗でその闇になにかが光っている。よく見ると、それは星だった。天井に無数の星が輝いている。それに月がかなり大きい。そして青い星、地球だ!

『……でも、なんで地球が見えているんだ?』

地球にいてはちきゅうがみえるはずがない。

「「なんだって!」

空は自分のさっけびとともに完全に目を開いた。空はたしかにベッドの上にねかされていたが、そこは確実に愛の叔父さんの家ではなかった。まぶしい。なにやら大きなライトのようなものが輝いている。さらに何者かが顔をのぞき込んでいた。よくは見えないが、見覚えのあるような、ないような顔だ。

その髪の色が赤いのにそらははっとし、やっと意識をうよみがえらせた。

あの、変な、おじさんだ!

そしてもう一人は少年だった。髪の色が赤く、顔立ちもかなりちがっているけれど、そこに立っている少年はまちがいなく、あの転校生だと直感した。

体は動く。空は飛び起きた。顔にライトのようなものがぶつかったが、かまいはしない。ベッドのようなところから飛び降り、出入り口らしき方へ走った。

「あぶない!」

あの転校生にそっくりな声が響き渡った。と同時に壁に出入り口のような穴が完全に開かれた。

なんと、そこから先はまったく、何もなかったのである。

その先にあったのは、気が遠くなるほどだだっ広い目もくらむような、広い空間、危うく下に落ちかけるのを必死であしをふんばり、空はなんとか落ちずに助かった。その空間の中にはいろんな大きさの球体や立方体をした物体がっかぞえきれないほど浮いていて、宇宙船のようなものまで飛んでいた。

さらに浮いている物体の一つ一つが天体のようにキキラキラ輝いて、この広い空間そのものが小さな宇宙のようにも見える。空が最も驚いたのは目の前の巨大で透明なクリスタルの壁の向こうに

こうだいなうちゅうがひろがっており、頭上には青い地球が大きく横たわっていたことだ。「「

地「球だ……」

空は体の力がぬけていくのを感じながら、ヘナヘナとその場に座り込んでしまった。「「

部屋の外は無重力になっているんだ。いきなり飛び出すと、あぶないよ」

自分と同じ歳くらいの奇妙な少年が、例の転校生と同じ声でそう言った。空は頭上の地球を見上げ、口をぽっかり開けていた。それから、あきらめたように、ゆっくりと、ふりかえってみる。

部屋中は病院の治療室のような雰囲気でカプセル型をした手術台のようなベッドがおいてあり、そのベッドの上にある大きな装置からギクシャク下機械式の腕が幾つもぶら下がっていた。さきほどまぶしく感じたのは宙に浮いた大きな電球みたいなもので、そんな光るボール玉みたいなのが部屋中至る所に浮いている。そんな部屋の中には空の他に三人ばかりいた。

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ギャラクティックレボリューション 大谷歩 @41394oayumu

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