おわり
ふり返ったヒロハルの前で、
ミムはちいさなこぶしを握り合わせて立っていた。
涙の跡も直さないまま。
「…………今度」
かすれるような声。
(今度?)
「いや、じゃなくて、いまのナシで」
(………………?)
「も、もっと……話とか、し…………」
(し?)
「でき、できたら……」
(なにが?)
ミムはきゅっと目をつぶって、
叫ぶようにいった。
「もっと!! 話を!! しよう!!」
(…………誰と?)
「私たち!!!」
「うん。
え?」
(…………え゛?)
「………………ダメ?」
「い、いやダメじゃないダメじゃない全然ダメじゃない」
(けど、
どゆこと?
『話をしよう』って、いまここで??
何の話を? さっきまで何の話してたんだっけ??
俺はどうしたらいいの??? 誰か教えてくれ!!!)
ヒロハルは汗をふこうとしてポケットに手をつっこんだ。
ハンカチと思って取り出した布は、
幼馴染のパンツだった。
ミムの顔が、
――――さあーっ――――、
音を立てて真っ青になり、
――――かあーっ――――、
湯気を立てて真っ赤になった。
パァン!
「ド変態!!!!!!!!!!」
ヒロハルの頬に季節はずれのあざやかな紅葉が生まれた。
★おわり★
幼馴染がパンツに手をつっこんでいたので自分もパンツに手をつっこんでしまいました 桑昌実 @kwamasame
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