遠坂結衣の悩み

 放課後、俺は言われた通り図書室にきた。 

 まだ遠坂さんは、来ていないようだ。

 「しばらく待つかー。」

少し大きめの声が出た。司書の先生ににらまれた。居たのか。

 仕方ないね。人いないって思うとついつい大きめの声出ちゃうよね。これ陰キャあるあるだと思う。

 そんなこんなで待つこと約十分ほど。

 遠坂さんが来た。

「お待たせ待った?」

 美少女にこんなことを言ってもらえる。これだけで生きてる価値あるよね。

「待ってないから大丈夫だよ。」

そしてこうやって彼氏づらできる。いやー、いきててよかった。

 遠坂さんは、陰キャにも話しかけてくるれるので、俺もタメ口で話すことができる。

 「じゃあさっそく本題に入ろうか。」

 果たして彼女の口からどんな言葉が飛び出すのか。告白か、告白なのか!。

 「あのさ、、」

ドキドキ、ワクワク。

 「わたしの悩み解決してくれない。」

 「…は。」

俺は思わずこう言ってしまった。

 遠坂さんが悩み?しかもそれをなんで俺に解決してほしいんだ?遠坂さんが悩んでいることなんて、俺程度が解決できるものじゃないと思うんだが。

 今俺は、他の人から見たらすごい間抜けな顔をしているのだろう。そんな状況の俺をおいて遠坂さんは続ける。

「実は、わたしの悩みって永田くんがよく一緒にいる久保くんに関することなんだけど。」

 「えっ久保」

 まてまて落ち着け俺。確かに遠坂さんは久保のような陰キャにも優しい。だがしかし、いくら遠坂さんでも久保を好きになるなんてそんなことはないはず。

「おーい永田くん」

 いや、実は幼なじみでした。みたいなそんな感じか。いや、そんなことが現実に起こってはならない。

「おーい」

「うわっ、びっくりした。」

顔を上げると遠坂さんが接近してきていた。

しあわせー、じゃなかった。遠坂さんの呼びかけさえ、気づかなかったのか。くっ不覚。

「ああ、ごめん気づかなかった。」

あと、ドキドキした。

 「もーちゃんと聞いてよ。」

 「ほんと、ごめん。」

いやほんとなんで気づかなかったの俺。

 「許してあげるよ。それで話の続き。」

「うん。分かった。」

遠坂さんは、真剣な表情でこう言った。

「久保くんにストーカーされてるんだ。」

「・・・まじ?」

「まじ。」

 まじかよ久保。お前が二次元の女の子を変態的に好きだったのは知っていたが、まさか三次元の女の子までも変態的に好きだったとは予想外だったぜ。

「おーいもどってきてよー。」

「ああー、ごめん。けどそれこそ学校側にいったらどうなんだ?」

「んーけどさ、学校側に言ったらそれこそ問題がおおきくなっちゃうじゃん。まあ、それほどじゃないかなーとおもうんだよね。」

 さすが遠坂さん。犯罪者になった久保にも慈悲の心を忘れない、天使だわ。

 まあ、遠坂さん自身がこれ以上目立ちたくないっていうのもあるんだろうけど。

 「私このあと一緒に帰る約束してるから。」

しまった遠坂さんが優しくてつい忘れていたが、遠坂さんはリア充なのだ。

「あっうん。それじゃあまた明日。」

「あっそうだ、永田くん!LINE交換しとこ。」

えっ、まじ。遠坂さんとLINE交換できるの。やったぜ!

「う、うんわかった。」

「じゃあ今日の夜、対策考えよ!じゃあねー。」

「うん。また明日。」

 は〜。最後に今日いちばんの収穫。嬉しすぎる!

 しかし、まあどうやって解決したものか。遠坂さんとの会話が楽しくてついつい相談内容について考えていなかったが・・・。

まあいい。明日学校で聞くとしよう。LINEできくより直接聞いた方が表情がみれるからそっちの方がいいからな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

陰キャにお悩み解決は難しくない! @Amanojak

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ