背中。あたたかい。

 彼を。感じる。

 かない。何も。意味がないから。彼がここにいる。わたしの背中に。そして、左隣に移動してくる。

 なにしてんだ。まだ朝だぞ。寝ようよ。

 ちょっとした笑顔。そう言う彼に頷いて。

 彼が、傘を、そっと、奪う。

 雪が、積もりはじめている。

 昼までには、街が雪に染まるかもしれない。

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陰雪 α 春嵐 @aiot3110

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