アオハル☆エアラジオ~みんなのお便り紹介します~

比良

お題:『出会い』

ラジオネーム:意気地なしミキサー


『あーさん、くーさん、いつもエアラジ楽しく聞かせていただいてます。お題が『出会い』とのことなので、僕の高校時代の出会いの思い出を送らせていただきます。


 当時、通っていた高校はとにかく明るい子が多い学校でした。たぶん制服がない高校で、ファッションを楽しみたいというような子が多かったからじゃないかと思います。

 僕はその中でも少し浮いていて、放課後にファミレスやカフェによって駄弁だべるとか、そういった事にあまり馴染めませんでした。でも、周りはそんな自分も輪に入れようとしょっちゅう誘ってきます。いちいち断るのも気が引けるので、授業が終わったらすぐに教室から出て、別館の図書室に逃げ込むようにしていました。


 どこに居てもうるさい学校の中で、図書室はいつも静かで数少ない癒しの空間でした。僕はそんな図書室が気に入っていましたがある日、その静寂が破られます。聞こえてきたのは、ポップミュージック。放送部がよく放課後に流している学内ニュースを伝えるラジオでした。

 図書室は本来呼び出しの連絡など、緊急性のある放送以外は流れないはずですが、その日はミスったんでしょうね。静かな図書室の中では、普段は聞き流している放送部のラジオがよく聞こえました。


 僕はこの時初めて、パーソナリティの声を聞きました。透き通るような美しい声で、これがとても聞きやすくて、一目惚れならぬ一聞き惚れ? をしてしまいました。とはいえ、僕の静かな時間が邪魔されたのです。文句の一つでも言ってやろうと思って、放送室に向かいました。

 放送室の防音扉をノックして、中に入れてもらうと、そこに居たのは声のイメージ通りの美人な先輩で、僕は目でも惚れてしまいました。「さっきの放送、図書室まで聞こえてたんですけど」と文句を言うと先輩は慌てて放送機材を確認して、「ああ、ごめんなさい。ミスってた!」とあわあわしながら謝ってきました。その様子があまりに可愛くて、このときに僕は恋に落ちたんだと思います。


 放送室は放送部の活動場所らしく、防音扉のおかげかここも静かな場所でした。静かな空間、美人な先輩、マイナーな部活故の特別感。先輩のちょっとしたミスのおかげで気付けたという運命的なシチュエーション。ありとあらゆる要素が僕の好みで、さっきまでの怒りも忘れて「入部したいんです。」と口走ってしまいました。


 以上が僕の体験した高校時代の出会いです。先輩が卒業するまでの約2年間、お昼のミーティングと称して放送室で二人きりでご飯を食べたり、文化祭などの学校行事のBGM係で、ほとんど二人っきりで過ごしたりと青春してました。でも、二人の時間は居心地が良くて、この関係を壊したくないがために想いを伝えるのをずるずると先延ばしにしていたら、先輩が卒業する頃になってしまいました。しかも遠い大学に進学するとのことで、最後まで勇気を出せませんでした。


 そうして終わったと思っていた僕の恋ですが、最近先輩と連絡をとることができました! 思い出話でもしながら一緒に食事をしようと誘われて、ここ最近は舞い上がっています。まるで、高校生の頃のドキドキが帰ってきたみたいです。神様がくれた最後のチャンスかもしれませんから、今度こそ想いを伝えようと思います!


 最後にお願いなのですが、どうか、あーさんとくーさんに応援の言葉をいただきたいです。

 乱文長文失礼しました。』

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