第8話 逃亡の果てに

ロミオ


ジュリエット

どれだけ待っていたことだろうか


申しわけありません

私は


どうした


私は決められた方と婚姻の儀を行うことになりました

もう

ロミオとは会えないです


駄目だよ

僕が離さない


お願いします

離さないでください


ただ

相手はこの国で最も恐れらている方です


恐れられているとは


剣術の達人です

あの、アリオス兄上でも子ども扱い同然です

ロミオ様がいかに強くても

勝つことはできないでしょう


大丈夫だよ


いえ

無理です

私と一緒に逃げて下さい

また、赤き道しるべをつくりましょう


わかった

ジュリエット

すぐに準備する

ここで待ち合わせしよう


はい



ロミオ

顔色が悪いぞ何かあったのか


実はあの方が明後日に

ブルーナーという男と婚姻することになりました


なに

ブルーナーはこの国でも屈指の剣術家だ

俺とお前でも到底、倒すことはできない

この地では無理だ、すぐに居場所がわかってしまう

遠い地まで行かなければならない

私も同行しよう


兄上

ありがたき幸せ


それでは急げ


はい



街の中で



ジュリエット


ロミオ

この方がブルーナーです

逃げましょう


お前がロミオか

よし、ここで勝負をつけよう

待て、逃げるのか

ははは

このように逃げる奴は初めてみたぞ

皆の者笑え


ハハハハハ


アリオス、決着をつける時がきたな


そうですね



ロミオ、仕方ない

この場を離れるぞ

逃げるのだ


はい


ロミオ

ここに身を隠せ


わかりました


俺もしばらくついている


兄上

感謝します



ジュリエットはどこだ

この国を探し回れ



このような顔立ちの女性と男性をみかけませんでしたか


そういえば、あの家に住んでいる家族に似ていますね


ありがたい

ロミオはそこにいる

行くぞ


ブルーナー様



おい、ロミオ

出てこい


思ったより早く気づかれたな


そうですね

兄上


決着をつけるしかない


わかりました




ロミオ、覚悟はいいか

俺から逃げる奴に負けるわけがない


ブルーナー兄上

ここは私の出番です


そうだな

アリオス

いけ



ロミオ

お前がいけ

わかっているな


はい

兄上



カン・キン・キン・キン



うう


どうした

アリオス

答えられないだろう

息絶えているのだから


アリオス

俺が仇をとってやる


ロミオ

やめておけ

ブルーナーは俺が相手をする


兄上

大丈夫ですか


ああ



キン・カン・キン・カン



うう


兄上、大丈夫でしょうか


ハハハハ

息絶えたな

後はロミオ

お前だけだ


ハハハハ



キン・キン・カン



ロミオ

お前も息絶えたか



グサ



なんと

ジュリエット

お前から刺されようとは



ロミオ

起きて下さい

月の光で私を支配してくれると

おっしゃったじゃないですか

赤い果実はこのようなことだったのでしょうか

最後にせめて

あなた様の唇で私の唇を覆ってください

あなた様の存在がなければ

私はどうして生きていく価値があるのでしょうか


この剣で私の命を絶ちましょう

その前にあなたを呼ばせてください


ロミオ

ロミオ

ロミオ



あああ

グサ






END






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ロミオとジュリエット~青い瞳 虹のゆきに咲く @kakukamisamaniinori

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