舞4
水面の花も葉も、閉じていた。少しばかり、寄ってもらう。空いた箇所から、池に入る。深く沈む。細長い緑色の葉が、束になってたゆたう。小指の先ほどの小さな白い花が、無数に咲いていた。葉に沿って、左から右へ。できている水の流れに載る。進んでいく。滝で落ちる。滝壺から泳いで、陸に上がった。濡れていない。
滝を背にして立つ。正面に、両開きの扉。飾り気のない武骨な、鈍い茶褐色の。まず、シキミが開いて、下界に出る。人体実験に参加してくれる人を見つけた。戻ってくる。キャラと共に、扉を通った。
次に、ジャカランダ。人体実験に参加してくれる人と、契約を結ぶ。本名を名乗りそうになった。直前に、クジを引かされる。当たった、仮の名前を使った。
契約者の許可を得て、町をぶらつく。悪目立ちする服から、下界の標準服に着替えて。強い力に惹かれて、ジャカランダは近づく。固有の色の光を見つけた。
「どこ、ほっつき歩いていたんだ!!」
記憶が戻る。ジャカランダは怒りをぶつけた。相手にとっては、理不尽な。代わりに、心の病が癒えていた。
了
神、動く 奈音こと楠本ナオ(くすもと なお) @hitoeyamabuki
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