8 どこ?誰?

 俺の目の前に少女がいた。

 髪色は茶髪で髪形はポニーテール、容姿が整っており誰がどう見ても美少女だと思うぐらいには美少女だった。

 俺はポカーンっとしていた。ここがどこなのかもわからないし目の前にいる少女だってわからないからだ。

 そんな様子に気がついたのか、少女が話しかけてきた。


 「えっとね、私の名前は小雨舞っていいます。あなたが倒れていたので私の家に運びまし た」


 「あ、ありがとうございます」


 「いえ、大丈夫ですよ」


 小雨舞は笑顔でそう言う。俺は少しドキッとしてしまったが深呼吸をして落ち着かせた。

 落ち着かせた後俺は気になったことがあったので聞いてみることにした。


 「小雨舞さん。訊きたいことがあるんですが」


 「訊きたいこと?うん、いいよ」


 「ここって何という国何でしょうか?」


 「零月本っていう国だけど.....もしかしてあなたこの国の人じゃない?」


 俺は少し焦った。この国の人じゃないから何かされるのでは?そんな疑問があるせいで焦っている。

 小雨舞はもう一回聞いてきた。


 「もう一回聞くね。あなたはこの国、零月本人?」


 「俺は......日本人です.....」


 俺は涙を流しながらそう言った。

 小雨舞は俺をジーっと見た後に口を開けこう言った。


 「えっとね....!別に何かしたりする訳じゃないからね!」


 「えっ....本当に何もしない....?」


 「本当にしないからね!安心して」


 俺はそう聞き安心して一息ついていると小雨舞は続けてこう言った。


 「あなた日本人って言ってたけど、私日本人って聞いたことないんだけど」


 「に、日本っていう国ってある?」


 「ないけど.....」


 俺は少し心にキズができた。それぐらいショックなことだった。

 俺はこの話はやめようと違う話題にすり替えることにした。


 「そ、そういえば俺の名前言ってなかったから言います。愛です」


 「話題すり替えてる....じゃあ、愛ちゃんて言うね!」


 「う、うん....!よろしくです!」


 俺は今気づいた。緊張してですます口調になっていることに。

 てか、始めてちゃん付けで呼ばれた.....違和感しかないよ。

 俺はそんなことを思いつつベッドから降りた。


 「だ、大丈夫?」


 「大丈夫だよ.....きっと」


 「愛ちゃんは帰る家ってあるの?」


 そういえば俺、帰る家無かった.....どうしよう!ヤバいヤバい

 俺が何も言わずに黙りしていると小雨舞はこう言ってきた。


 「黙ってるってことはないんだね?」


 「は、はい....」


 「じゃあさ、私と一緒に住まない?」


 「め、迷惑になると思うんだけど....」


 俺が申し訳なさそうにそう言うと、小雨舞は自信満々にこう言った。


 「大丈夫だって!迷惑にならないよ。逆にこのまま無知のまま出ていった方が迷惑かける と思うけど?」


 「......じゃあ、お願いします」


 「うん、いいよ!大歓迎だよ」


 俺は小雨舞さんの家で過ごさせてもらうことになった。

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二度目の人生でもダメだったので三度目の人生で日常生活をします 桜なの @yumanini

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