幼なじみとの決闘!? 歩け。
手紙を読んだあと、俺たちは計画を練った。ジャックポットと言っても勝たないと話にならない。そしたら俺か、チャロが出場者として出て、それに全掛けしたら負けないんじゃないのかと案が出た。
その案に行きつくことが、罠。罠でも限定商品にエリアーナが出てくるなら、豪運が無効化されている現状そうせざるおえない。
奪い取るは最後の手段だが、ちゃんとした手段で取り引きをしないとトラップスキルの餌食になる。トラップスキルは数多く種類があり、その中でも警戒するのが死して契約を破棄するものだ。エリアーナが死んだら元も子もない。
闘技場の出場者は転移で逃げられる俺に決まった。ソフィアは俺に金を全部掛ける。俺たちはウハウハだ、ともいかないらしい。
ソフィアが言うにはあんまり目立つ勝ち方をしてはいけないと言っていた。その辺はソフィアに任せることにする。俺は勝つだけだ、と思ったがどんなに相手が雑魚くてもギリギリの勝負をしないといけないと言われた。もしかしてチャロじゃなく、俺に決まったのは……俺が手加減できるから? ソフィアに目線をやれば、すぐにそらされた。
朝一番に俺は闘技場の参加入口にソフィアにリードをされた状態でいた。ソフィアとチャロはお面を着けて、だが俺は素顔で。変態的なプレイじゃなく、人族をカジノ出場者に見せつける為だ。
ソフィアはリードを運営側の魔族に渡して、金貨を受け取りさっさと消えた。人族は金貨の価値があるのか。
「おい歩け! グズな人族め」
通路を歩いているとリードを外され、バトルフィールドに着いた。熱気が風に乗り伝わってくると、「ワアァァァ!」と全方位から歓声に包まれる。
え? 休憩スペースとかないの? バトルフィールドまで直通? そして檻が下りる。一対一の勝負と聞いていたが、雑魚枠もあるのか。上の魔道具の画面を見るに人気の選手と人気の選手がぶつかり合う中、俺は逃げれば勝ちらしい。おっ、これはラッキーだな。ここにいるのは人型の魔族だ。人型だが顔は違う。牛、馬、豚、鳥の顔だ。まぁ、可笑しいのが体格だ。身長だけで俺を三人合わせたぐらいの身長で、腕も足も大木のように大きい。そしてドデカい斧を四体中、四体ともに持っている。
上の画面の一位と二位は牛と馬だ。横には横に伸びるゲージが付いていて、それが長いと人気なのはわかった。一日中戦うって事は一人死ねばどうなるんだ? もしかしてゲージを貰って次に進むのか? じゃあ、一番最初から金掛けている奴は一人死ぬ事に何倍かは知らないが上がっていく。それが下の順位ほど倍率が上がる。このカジノは最後の一対一になるまで分からないな。最後には強敵を登場させて運営は豪運スキルで運営が貰う金をプラスに変えると。良い商売してやがる。
人族はカジノでは人気があるらしく、ボコボコにされるのを期待しているんだとソフィアから聞いた。魔族の国の近くのこの街は人族の差別意識が強く、魔族は誰一人俺にかける奴はいないと思っていたが、このカジノにもおかしな奴はいるもので、上の画……テレビに俺の顔が出た瞬間、ゲージが上がっていく。人気は取れなかったものの最後には一騎打ちだ、関係ない。それまで体力をもたせないといけない。
ブーっとアナウンスが流れた。すると巨体が動き出す。神の試合を見ているかのような迫力だ。巨体の魔族がタックルを初め、すぐに一対一と一対一が出来上がる。俺はそれをボケっと見ながら、壁に寄りかかり、座り込む。
人族が出てきたらいつもそうなのか、もう俺を貫く視線もない。だいたい人族は壁に引っ付いて助けを求めるのがわかっているのだろう。終わったあとで人族がいつの間にか死んでいることが面白いのだ。小さい頃、馬車で引かれた虫を見て、ボーと眺めていたから魔族の気持ちがわからんでもない。
おっ、鶏頭が死んだ! 馬の斧が丁度よく鶏の首にヒットしたのだ。ブーンとゲージは鶏のぶん上がっていく。ガラガラガラとすぐさま鶏頭よりも大きいサイズの頭から角を二本生やした魔族が出てきた。肌は赤黒い。上のテレビを見ると名前が付いていた。オーク? 種類名か? 名前か? と考えていたら、ブーンとオークのゲージが上がっていく。牛や馬がだんだんゲージが小さく、オークのゲージが大きく。まだ始まったばっかりだからそんなに掛けてなかったんだな。
オークが右手を大きく広げると、ブンッと音がなるように水平に振った。最初に俺から壁に激突し、あとから馬牛豚も壁に激突する。ブジュッと潰れたような音がした。俺は後ろ側にオーラが出てきて守ってくれた。壁から近かったし、ボロボロになったフリは任しておけ! でも馬牛豚は馬車に引かれた虫みたいに何処から出ているのか分からない血を全身から出して目を開けること、声を鳴らすことはなかった。
馬牛豚が抜けたあとのテレビに出た名前を見て、俺は馬牛豚のように声が出なかった。
【オーク】
【ヘルスネーク】
【キャンサー】
【エリアーナ・アイム・アフィーリア】
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