幼なじみとお祈り!? 助けてやりたいんだ。
ソフィアと昨日泊まった宿に泊まり、朝日が顔を出してくる頃に宿を出る。涼しい朝の風を感じながら貴族街の門に行く途中に香ばしい良い匂い釣られてソフィアが入った店がパン屋だった。そのパン屋では三つほどホットドッグを購入して、貴族街の門に向う。
門には聖騎士団がいて厳重に見張っているが、ソフィアの顔を知っているのか簡単に通してくれた。ソフィアが居れば貴族街の門も通り放題だと知る。
貴族街でも教会は大きい。貴族門からの距離は遠かったが門からでも建物からして違っていた。白を基調とした外観、え〜と、大きい……俺の語彙不足らしい。
貴族街に来ても俺たちの目的は変わっていないルーシーに会うことだ。距離があると行っても目的がハッキリしてる分、早く進む。ソフィアがウロウロしなかったのもデカかった。
「何でウロチョロしないんだ?」
「え? ルーシーに一刻も早く、会いたいからだよ」
そうらしい。
教会に着いた。教会の扉の前に人がいて、俺たちが扉に近づくと扉の前の人が手動で開けてくれる。手動で開けるくらいなら魔道具の自動ドア使えばいいじゃんと風情がないことは言わない。貴族は見えるところで人に何かをやらせるのが好きだ。教会が自動ドアをつけた日にはどんなクレームがつくかは気になるが。女神様に祈る教会に魔道具を付けるのは信仰心が足らん! とかか? そんなことはいい。ルーシーは祈る事しかしてないと言っていたが、本当に祈っていた。
ルーシー以外誰もいない教会でルーシーは女神の銅像と前でステンドグラスの光にあてられながら手を組み膝を折り、祈る。その姿は綺麗でまさに女神のようだった。ジャージ姿の女神とチェンジで。
俺たちのことは足音で気づいたのか、後ろに振り返りながら立ち上がり、優しい笑顔を見せた。
「女神様から聞きましたよ。クラスアップのことを」
「そしたら俺のスキルのことも、アイラが狙われたことは知ってるだろ。俺は新しいスキルを得た。幼なじみのためになる力を得たんだ」
「私たちじゃなくて、どうかライヤ君自身のために使ってください」
ルーシーは俺に近づくと俺の両の手を取り、俺の言葉を受けて、自身のために使えと言う。それには俺も強く出らないといけない。ルーシーを手を握りしめて、俺の本気の言葉で。
「俺はルーシーの助けになりたいんだ。自分勝手にルーシーを助けてやりたいんだ! それでもダメか?」
ボフッとルーシーの顔から蒸気が出そうなほど赤くなる。グルグルと視線が定まっていないルーシーにオーラを流し込む。するとソフィアが俺とルーシーの手を引き剥がした
「ルーシーを助けてやりたいんだ! って僕たち幼なじみも入ってるんだからね。まったくもう聖女だからって、いちいち赤くなってたらいけないんだぁ」
「大丈夫ですよ、ライヤ君だけです」
むぅ、とソフィアが言い出したので手を引っ張って帰ることにする。ルーシーは何故か眉尻を下げて悲しそうな顔をしながら優しく笑った。
「ライヤ君はここからどうするんですか?」
「俺はエリアーナの様子を見てくるかな」
「エリアーナですか。クラスアップしたライヤ君だから聞かせますけど、エリアーナの消息が五年ほど前から分からないのです。これは貴族でも知っている人は限られます。もちもんソフィアちゃんは知っています」
俺がソフィアを見てみると鳴っていない口笛吹いていた。だからソフィアもエリアーナに会いたいって着いてこようとしたのか。そう言えば王もエリアーナの事を聞いたら怒っていたな。俺はルーシーに視線を戻す。
「アイラちゃんが狙われたことと言い、魔族は何を考えているか分かりません。スキルもまだ慣れてないと思いますし、ライヤ君が言ったら隠れてでもやるって昔から知っているので、どうか無事に帰ってきてください」
「えっ? 僕は? 僕には?」
「ソフィアちゃんにも、どうか無事に帰ってきてくださいね」
「あぁ、大司教ともあろう者が祈る気持ちに上下をつけた! 僕、わかったもんね」
ルーシーは俺に向かって目をつぶり、祈る。ソフィアが僕もと言うのでルーシーは俺と同じように祈った。ソフィアがルーシーの祈りにクレーム入れたところで、またなとルーシー言うとソフィアを引っ張り、教会を出た。
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