幼なじみとの約束!? やっと起きた。
目を開ける、青い空と白いテント? が見える。ベットのはずなのに硬い板の上にいるようだ。地面からはがたんごとんと振動が休まれず襲ってくる。ここまで条件が揃ってたら分かる、宿に泊まってはずだが、二度寝した後には何処かに連れ去られていた。寝る前にソフィアが遊ぼうと言っていたので、ソフィアが絡んでる気がする。
俺は起き上がり、辺りを見渡してみた。馬が二頭で引っ張っている馬車らしく、俺の左右に白い骨がゴロゴロとしていた。
「あ! やっと起きた。宿のおじさんに頼んでぎるどから馬車を呼んでもらって、おじさんがライヤを運んだんだからね!」
後ろから声がして、足を組みかえ後ろを向く。「もうまったく! ライヤを運ぶのは疲れるよ!」と骨を抱きながら言うソフィアの言い分が分からない。それは宿主のおじさんが疲れただけじゃないか、とソフィアに言うことでもないので「何してるんだ?」と聞いた。
「骨を集めているんだよ。ギルドからハウリャ街の骨を集めて欲しいって依頼が来てるんだよね。指名の依頼が来ないから、そういう指名料がない依頼は僕に任せてってユーヘビラちゃんに言っているから。ユーヘビラちゃんは僕の秘書? なんだって」
ユーヘビラちゃんって人は大変だろうな、ソフィアがトップなんて。ハウリャ街は俺が一晩で消した街の名前だ。下界だけで街の名前なんて腐るほどある、ただ俺が出没してる街の名前がハウリャ街ってだけは知っている。
馬車から降りるとソフィアが俺が寝ていた所に抱えてる骨を入れた。グルっと周りを見てみると骨を拾ってる人が沢山いる。まじか、寝て起きたら全ていつもどうりと言う訳じゃなく、骨を拾ってる人は泣いている人も多くいた。でも俺はマルコスさんの骨を拾っても泣けない、俺には薄情な人間だ。
「でもらいやは僕が死んだら泣いてくれるよね?」
「泣いてやらねぇよ」
「い〜や〜だぁ! 泣いてよ!」
思ったことが口に出てたみたいだ。泣いてと連呼するソフィアに放っておいて骨を拾う。水仙魔法を手に入れたらもう寿命で死ぬことはないだろう。幼なじみは絶対に守る。俺の死に顔は見せるかもしれないが、お前たちの死に顔を死んでも見たくない。俺の少なくない昔からの身勝手な願いだ。
連呼することに飽きたのかソフィアも骨を拾い始めた。
「今ね、聖騎士が動いていたのに民が死んだとか、建物や城壁が消えたとか、貴族の間では問題にされて始めたよ。ここ何十年も戦争なんかなく、貴族は暇つぶしがてら聖騎士団を取り壊したいらしいね。そんなことをやったら次は貴族街に結界を張られて魔族に蹂躙されるよ。ギルドでも裏切り者の詳細は分からないのに。貴族の暇つぶしならいいんだけど、裏切り者が貴族の裏に入ればやっかいなことにもなりかねない」
ソフィアのため息混じりの言葉を聞く、骨を拾いながらそんなことまで考えてたのかと、さすがはマスターというところか。ギルドとは魔道具かスキルかで連絡を取っているんだろう。
昨日の結界は罠でもあって一度入れば出られない作りであった。そして女神が邪魔出来ないようにするためでもあった。ソフィアは巻き込まれだだけだか、昨日のリーパー事件は加護持ちのアイラを殺すためだったんじゃないか? 貴族街で問題を起こしたらアイラとルーシーがいる状況になるし、かなりの手練も駆けつけることになる。下界、それもハウリャ街は下の下の壁際だ、連絡を封じればルーシーや手練が来ることもないだろう。
相当に準備していた計画がダメになって、焦っているかもしれない。いや、こんな計画を実行出来るやつはそんな足を掴まれるようなことはしないだろう。
「初めまして、加護持ちのグラスールさんと街をひとつ簡単に壊滅出来るほどの力を持つ貴方の名前をどうか
ソフィアと名前と俺たちしか知らない情報を口から漏らし、俺の名前を聞きたいと言ってきたガラン・ロスウェイト。銀髪の髪を綺麗に固めて、黒のスーツはスタイルが細いからかピシッとお硬く見える。でも優しい口調で腰を曲げてきたガランは凄く気味が悪く見えた。
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