4話~支援型能力キャラが紙耐久なテンプレを引き継ぐ必要は全くないと思うんだけどその点運営さんはどう考えておられるのか問い詰めたい件について

「伝承…されてない?」



「はい。伝来のものではないんです。」



「ならどうやって?」



「勇者召喚の魔法は、正確にはどれだけの期間かはわからないのですが、一度使うと一定期間世界中から失われるようなのです。

その後、何かのきっかけである人物に天啓が下り、その魔法を伝授されるとされています。」



「じゃあ、今回その魔法を与えれられたのが、王女様。ってこと?」



「はい。私が聖騎士に任ぜられた時に天啓を得ました。今まではそれを極秘扱いとして、一部の者を除いて公表せずにいたのですが、どこからか悪魔達、魔族がそのことを聞きつけ、襲ってきたのです。それが数年前の事になります。

魔族にとって、聖属性魔法は天敵です。そんな私たちの手に召喚魔法があるとなれば、放っておくことはできなかったのでしょう。

元々、大小様々な争いの絶えぬ世界です。魔族たちとしてみれば、戦争に踏み切るのに十分な理由となったハズ。」



「それで大挙して攻めてきたって訳か…。ここが王都だとすれば、ここまで攻め入られるのはまずいんじゃないですか?次の攻撃はしのげるんでしょうか…。」



「それに関しては不覚としか言いようがありません。カマセールは転移魔法の扱いに長けた魔族でした。奴らは突如として王城の目の前に転移してきたのです。

我々も国境付近の警備は普段から重点的に行っていますが、まさかいきなり王都にまで攻めてくるとは思いもしなかったのです。」




転移魔法か、そんなものがあればそもそも戦線って概念自体が無意味なんじゃないか?




「転移で攻めてくるならもうどうしようもなくないですか?」



「転移魔法も万能ではございません。転移先との距離が伸びれば伸びるほど、大量の魔力を必要としますし、前提として転移先に転移紋を描いておく必要がございます。

そして、長く戦争を続けていた副産物として、一定以上の距離を超えた地点からの転移を弾ける魔法というのも存在しています。もちろん、各国首都にはその魔法が掛けられているのが常なのです。

それを掻い潜って転移を、しかも軍団単位で行ってきたカマセールは魔族とは言え、非常に優秀な転移魔法の使い手だったと言えるでしょう。」




カマセール。なんて恐ろしい敵だったんだ




「じゃあ、そのカマセールを倒せたんですから、転移魔法の奇襲はもうなさそうですね。」



「いいえ、柳水様。カマセールが魔族側で有名な転移魔法使いであることは事実ですが、彼女に比肩する存在がいないとも限りません。

1回襲撃を受けてしまった以上、その可能性はあるものとして行動すべきなのです。

今、反転移魔法の術式を変更し、転移可能な距離を縮める作業を行っています。これで万全とは参りませんが、一定の効果は見込めるはずです。」




なるほど。距離の制限を強くして可能性を減らす作戦なんだな


つくづく転移ってチートな能力だよな




「なら当面は魔族との戦闘は国境付近が主戦場になる。ってことでいいんですかね。」



「はい。その様に考えて頂いて宜しいと思います。ですが、油断はできませんので、王都の守備隊は増設せざるを得ませんけれども。」




それは仕方ないだろう。なんせ壊滅一歩手前まで行ったんだ。なにも手を打たない方がどうかしてる




「それでは、次は柳水様。貴方様の御力についてお伝えしようと思います。」



「はい。」




自分の力を他人の方が理解しているってのもなんかだけども


元々そんな力なんてなかったわけだし、今も感じられもしないから仕方ない




「推測段階ではありますが、柳水様の御力は接触している相手の力を何倍にも引き上げる力だと思われます。」



「バフ能力……ってことですか?」



「バフ…というのが何かは分かりませんけれど、柳水様の御手を握らせて頂いた時、私の魔力が爆発的に膨れ上がりました。それだけでなく、魔力から感じられる聖の波動も力強く、より神聖さを増したものとなっておりました。

これが誰にでも効果のあるものなのか、それとも聖属性だけになのか、召喚を致しました私にだけなのか。検証を重ねなければなりません。

ですが、昨日の戦闘のあの短時間…精々5分程度でしょうか、その間だけでも私の魔力は強くなり続け、通常時の10倍程の力を感じるに至っておりました。」



「じっ……10倍…!?アメリ様の御力は常より世界屈指の御力!それがたった5分で10倍にも達するなどと…!」




ベルさんも顔を引きつらせて戦慄いてらっしゃいますが…正直ピンとこない


10倍…10倍……あ、始〇と〇解の戦闘力の差が10倍くらいだったか?


つまり隊長と副隊長の差ってこと?それが5分で?やべぇ…




「あ~…うん。それはなかなかに強力な力ですね…?」



「強力などという表現では収まらないでしょう。通常、自身の力を少し上達させるにおいても不断の努力なしではなし得ません。元々の力量が高くなればなるほど、その為の苦労は比例して大きくなるものです。

魔力の力、戦闘力を支えるその根本的な土台となる部分。それを超常的な割合で増加させる柳水様の御力。

これは、対象となる相手の力が高ければ高い程、恐ろしい程の効果を生み出すでしょう。

場合によっては、柳水様の御力は世界のバランスを崩しかねない。そんな力だと、私は確信しております。」



「そこまでですか?」



「そこまでです。おそらくは柳水様と接触している間のみ、もしくは接触している時間と比例して持続するのではないかと思っています。

そして、効果の上昇率に上限があるのかどうか。これが非常に重要な点です。少なくとも、昨日の時点では緩まる事はなく上昇し続けていました。

争いの絶えない世界です。この至極単純かつ強力無比な力は世界中が欲しがることでしょう。」




チートと言えば全知全能的な能力だと思ってたけど、俺の能力もなかなかにチートっぽい


でも確かに、タイプ一致技1.5倍でメイン火力なのに10倍ってやばいよな


俺もこの世界のチーターになれそうだ。さすが異世界転生……転生ではないけど、さすが異世界転生は都合がいい




「ですが、アメリ様。柳水様ご自身からは魔力を全く感じませんが、これは相当に不利な要素だと思われますが?」



「ええ…それは如何ともしがたいでしょう。おそらく、魔力を込めた一撃をその身に受ければ絶命必至。柳水様は現在、魔力を用いての攻撃に対してあまりにも無防備と言わざるを得ません。」



「魔力を使った攻撃は魔力でしか防げないんですか?」



「そんなことはございません。魔法であっても盾を持って防ぐことは可能ですし、大きな城壁相手にはより大きな魔法を使わなくては破壊するには骨が折れる事でしょう。

魔法の属性は、火、水、土、風、雷、聖、闇に分けられます。その中でも、水、土、風の3種類は物理的性質が強い属性です。これらの魔法を正面から受け止めた場合、衝撃を受けるとは思いますが、防ぐことは可能です。

火属性は少々魔法の色が濃くなります。盾などで遮る事は出来ても、熱を持った流動性の高い火属性魔法を防ぐのは骨が折れます。

雷、聖、闇の3属性はさらに魔法の色が濃くなり、物理的な防御法に対してとても強く、魔法を用いて防ぐのが最善です。

特に雷属性の魔法はこの3つの中でも極めて攻撃性能が高く、並大抵の防御手段では太刀打ちできません。その分、使い手はごく限られた種族にしか現れないとされています。

魔力を乗せた物理的な攻撃であれば、個人の力量にもよりますが、物理的な防御方法をとることが十分可能です。

同じ鉄を使った武器に魔力を込めたものと、何もしない状態のものでは魔力が込められた方の金属が勝ちます。

片方が木製の武器に魔力を込め、片方が鉄の武器であった場合は大抵は鉄の武器の方が勝つでしょう。」




多少現実路線を加えつつも、基本的にはファンタジー脳でいればイイって事か


雷が防御できないのは絶縁体を使わないからだろうな。鉄の盾とかで立ち向かっても感電するだけだろうし




「じゃあ、俺が魔法を撃たれたとしても、防御手段はあるって事ですね。」



「それはそうなのですが…、魔力を持たない者と持つものではそもそもの耐久性に大きな違いがあります。。」



「………じゃあ、俺が魔法を受けたら?」



「余波で深刻なダメージを受けるかと……。」




ダメじゃん


支援型能力キャラが紙耐久なテンプレを引き継ぐ必要は全くないと思うんだけどその点運営さんはどう考えておられるのか問い詰めたい件について。ちなみに積み技持ちを処理する手段がない時の切断したい欲はノンストップだと言っておこう

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俺は世界のバランスを崩すって言われたんですけどタダの人間ですから丁寧に扱ってほしいです 寿司升 @sushimasu

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