生体

バブみ道日丿宮組

お題:免れた姉妹 制限時間:15分

生体

 飼育診断とは毎週月曜日の朝に行われる生体検査のことであり、ここで不具合が見つかると直ちに研究所へ連れていかれ再調整をうける。もっともそこから戻ってきた生体のほうが実のところ多いのが実情である。

 乱暴な再調整を行ったためというわけではなく、単純に種として道具として保存しておく意味がないと判断されたがために食用として一般層に振る舞れたからだ。

 つまりは娯楽用から食用へと生体の扱いを変更を受けたということだ。

 早朝ということもあり、飼育小屋の外はひんやりとした空気が漂ってる。その中を研究員が1つ1つ飼育小屋の扉をノックし、出てくるように告げてく。

 扉から出てくるのは、少女から少年、あるいは両方なのか見た目が検討つかない類人猿。人間に似てるといえば、確かに人間である研究員に告示してる。

 だが、彼らにとってただの生体でありそれ以上でもそれ以下でもない。 

 研究員が声をかけると、少女たちは身につけた白い服を脱いでく。ただそれを嫌がるものも中にはおり、1人、また1人と余計なものを乱暴に剥ぎ取られる。新しい服を支給されるまで裸を余儀なくされるため喚くものもいるが、研究員は気にした様子もなく拳を1人1人きちんと入るかを何度か試行錯誤する。そして白い体液はきちんと出るのかを吸い取る機械で調べられる。

 上から下まできちんと調べられることもあって、多少の体調不良は数日で薬を挿入されて治ることができる診断である。

 その様子を優等生として書かれてる姉妹の生体は黙って見てた。反応も上場であるとされてるが食用にしては栄養素がなく病気にもならないため、模範生として大まかなチェックを免れてる。

 もっとも診断が終わった後に個人的な願いのために研究員に連れてかれるのが毎度のことである。それがこの職のせめてものの楽しみだと語るものもいるらしいが、実際のところは不明である。

 なぜならば、人間の処理用、食事用に出てくるものはなんの形をした生き物であったかわからないほどに加工されておりそれがどんな経験をしてきたかなど知ることはできないからだ。

 声をあげる生体を見て、研究員は口端をあげて診断は幕を閉じる。

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生体 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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