1章 双子と僕
第1話 双子
鴉の鳴き声雀のさえずりカーテンの隙間から入ってくる日差し
そして
「「はるにぃ起きてぇぇぇー」」
双子の声。
「起きとるわぁ!」
そして僕の怒鳴り声。
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突然だがこの世には双生児というものが存在する。
所謂双子と言うやつだ。
双子とは母親の胎内で同時期に発育して生まれてきた2人の子供の事だ
ラノベなどの双子は性格が真反対だったり髪型が違ったりけれども顔つきは似ていたりなど特徴があるかもしれない。
けれども僕が知っている双子は性格はほぼ同じで顔つきもほぼ同じで髪型に関してはもう完全に一致している。
双子というのは大体見分けがつくものなのだが僕が知っている双子はどうやら見分けがつかない。
「はるにぃあーん」
「ちょっと!?今私があーんしようとしてたところなんだよ!」
「先にしないのが悪いんだよー。ばーか」
「うぐぐ.....」
高校生になった僕にあーんをしてくるこのアホ(2人)を紹介しよう。
多分だが最初あーんをしてきたやつが齋藤日和。
なんで多分なのかは後程説明するとしよう。
こいつは僕の同じ高校の1年生。
こいつはとても陽気な性格をしている。
所謂陽キャと言うやつだ。
次に日和にばーかと言われてたやつが多分齋藤陽葵。
双子なので日和と同じで僕と同じ高校の1年生。
こいつも日和と同じように陽気な性格をしている
日和と同じ陽キャだ。
一応僕も自己紹介をしておこう。
僕の名前は坂木春戸。
双子と同じ高校の2年生だ
なんで双子と高校が一緒なんだよと思ったかもしれない大丈夫だ。
こいつらは意図的に僕と同じ高校に入ってきてる
なにが大丈夫か分からないけど。
趣味は読書であまり人との関わりが好きではない
まぁ所謂陰キャと言うやつだろう。
こんな僕でも恋には興味がある。彼女だって欲しいしイチャイチャもしたい。
まぁこんな性格だし好きになってくれる人なんか地球上を探しても多分2人ぐらいだと思うけど
あれ?もしかして俺って恋人作れない?
とそんなことは置いといて。
さっきこのアホどもを紹介する時に何故多分と言ったかについてなのだがなんせ僕は
この双子の見分けがつかないのだ!
胸を張って言えることでも無いかもしれないがこいつらには見分けれるヒントが少なすぎるのだ。
そして不思議なことに家族や友達のみんなはこの双子のことを見分けれるのに僕だけ見分けれないと言うことだ!
みんなきっと超能力者か何かなんだろう。うん
こいつらと僕は小さい頃から沢山遊んだし家族ぐるみの付き合いだ。
それなのに何故双子の見分けがつかないかだって?
ふっ、そんなの僕が聞きたいな
どっかのアニメでは愛があれば見分けれるとか言ってたから僕は双子に対する愛が足りないのかもしれない
けれどもそれとは真反対に僕に対する双子の愛はもう溢れている
会う度に
「はるにぃ大好き!結婚しよ!」
「はるにぃ大好き!付き合お!」
ちなみにどちらに言われているか僕には分からない
思春期真っ最中の高校生からすればこれは天国でもあり地獄でもあるだ
だって考えてみろ?毎日可愛い可愛い女の子に「好き好き!」なんて言われたら鼻血が出て吐血するだろ?
つまりそういうことだ
どういうことか分からなかった奴はいますぐビルから飛び降りてこい
とそんな冗談はさておき。
僕はこの生活に困っているのだ
暇あれば引っ付いてくる双子がいてそれを生暖かい目でみてくる両親。
言い寄ってくる双子。それを見て気持ち悪い声をあげる両親。
あれ?もしかしてまともなの俺だけ?
周りが低くて自分が高くなってしまう状態になってしまう。
そう!テストの点数で表せば周りのヤツの点数が低すぎて自分は高得点じゃないのに高得点扱いされるやつと同じ状態になってしまうのだ!
まぁなんだかんだ言ってこの生活に困ってはいるもののきっと楽しめているだろうけど
残念ながら僕は青春からかけ離れた生活をしている
はぁ、青春してぇ
双子の見分けがつかない俺はどちらが好きなのか分からない 瑠愛 @ruea0309
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