第34話 番外編 其の三 七滝龍 side
俺がアイツに話しかけたのは、クラスで自己紹介をしていたあの日。
アイツの自己紹介は普通であるが、普通ではない気がした。
「東中から来ました、
ここまでは大丈夫だが。
「自分からは話しかけるのは苦手ですが、話しかけて貰えれば会話するので気軽にどうぞ。よろしくお願いします」
これは誰も話しかけないな、ふざけたヤツしか来ない。
でも、俺はこう思った。
意外と面白いかも
だから声をかけた。
「俺、七滝龍」
「平幡八」
「八って、忠犬ハチ公?」
「違う!」
「あはは!」
確信した、コイツと友達になれるって。
その後はよく話すようになっていた。
ある日の昼休み。
本当に人に興味ないヤツだなと思った。
だが、どんな子なのか、ちょっと気になった。
するとタイミング良く勉強会が開催された。
その時に十田さんとはじめまして。
そして、個人的なことで1つ。
今だから言えること。
十田さん、梢ちゃんと来てくれてありがとう。
十田さんは俺と梢ちゃんを出会いへ導いた愛のキューピッドだ。
※
夏休みに4人で海を見に行って、その時に梢ちゃんとコンビニへ向かった。
十田さんとアイツの時間を作るために。
だが2人の進展は名字呼びから名前呼びになっただけ。
夏祭り・文化祭・球技大会という3つのイベントで進展するタイミングはあったはずだ。
だが、ヘタレなアイツが発動して、何も言えずに現在にいたる。
早く伝えろ、アイツは悲しみに耐えられる力なんてない。
そんな気がする。
出来れば、幸せになってほしいのに。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます