第25話 驚いた
いつもの学校に戻り平和に日々を過ごす中。
「今日もいないのか」
ここ2週間は
「心配だな」
君がいないとつまらない。
つまらなすぎて、早退したくなる。
「元気だせや」
「…だな」
「心配すんな、大丈夫だって」
こういう時の親友。ありがたい。
「ありがとな」
「辛気くさい顔は似合わないぜ」
「爽やかな顔、ムカつく」
「そうこなくちゃ」
本当に親友に感謝。
※
パッとしない寝ぼけ顔で登校している俺。
君に会えないだけで、無気力になるなんて。
俺も高校生なんだな、青春してんな、そう実感する。
そろそろ倒れるのではないか。
そう思っていると後ろから「わっ!」と背中をポンと叩かれた。
振り返ると、ショートヘアの眼鏡をかけている女子生徒がいた。
「えーっと、どちらさん?」
「忘れたの!?」
ん?この声はもしや。
「まさか、
「ピンポーン!」
おいおい、嘘だろ!?
「どうイメチェンした私?」
首を傾げて上目遣いで俺を伺う和。
「誰だか本当に分からなかったけど…うん」
「何?」
ここで間違えたら大変だ。
女の子への評価は慎重に。
機嫌を損ねると後々直るまでが長いから。
少し考えてこう言った。
「前より少し大人に見える」
「なるほど!」
納得頂けたかな。
「ならこれはどう?」
和は眼鏡を外した。
今まで知らなかった彼女がそこにいた。
眼鏡なしの方が、俺は好き。
高校生特有の幼さの中に、大人っぽさとポテンシャルというのか、元が良いからか、美人さんに見えた。
俺の目のフィルター越し限定であれば、俺はバカなのだろう。
とりあえず、和にこう言った。
「眼鏡かけて」
「えっ?」
「早く」
「うっ、うん?」
慌てて眼鏡をかけた和だった。
誰にも見せないで欲しい、そう願う。
※
「無事に来たじゃないか
「うん」
「どうした?」
「釈然としない」
昼休み、教室にて七滝と昼食をとっていた。
「何が?」
登校中に、何故学校を休んだのか?を聞いた。
すると和は「厄介な風邪でね、季節の変わり目だったからなのか大変だったよー」と言っていた。
「それが釈然としないってか」
「あぁ」
違和感を感じて、心がずっとモヤモヤする。
「あんま追求すんなよ」
「それはしない」
「しつこい男は嫌われるからな」
「女心分かったふうに言うな」
「すまんすまん」
たいしたことではない、そうは言っても引っ掛かる。
何回か、こんな感じのがあったようななかったような。
あったとして、その時は気にも止めなかった。
うーん…気になる。
が、本人からの言葉を待つことにした。
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