第10話 会わなかった理由

 勉強会が終了し、喫茶店を後にした帰り道でのこと。

 俺が疑問に思っていることを聞いてみよう。


こずえ、高校を選ぶ時迷わなかったのか?」

「えっ?何よ、気になるの?」


 はい、気にはなる。


「南中にいた時になんとなくよ」

「そうなのか」


 パッとしない。


「気づかなかった、いや、気づけなかった。あんたのこと」

「俺も、お互い様ってことで」


 受験の時でさえ気づかなかった。

 だから、変な感じで再会という訳か。やれやれ。

 さて、もう1つの疑問をぶつける。


「お前、中学の時もツインテールか?」


 中学は別々になったから、その時もツインテールなのかどうかと思って聞いてみた。


「そうだよー!私、決めてるの、19歳までツインテを貫くってね!」


 腰に左手を添えて、右手でビシッと俺を指さした。

 どんな決意だよ!


「二十歳になったらイメチェンするの!あー楽しみー!」


 あと4年…長いな。


「だからツインテールなんだ!」


 十田とだは何故か納得する。


「そうだよー!なーごみん!」

「うきゃっ!」


 梢は十田に抱きつく。


「似合っているから羨ましいなぁ」

「なごみん、可愛いよ!」

「梢ちゃんの方が可愛いから!」


 女子同士、仲良くしている。

 ほのぼのする、うん。


「眼福、尊い…」

「えっ…」


 七滝ななたき、怖い。

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