第8話 勉強会で再会

 待ち合わせの30分前には喫茶店・みずうみにいた。

 いつもの定位置。振り子時計に近いテーブルに。

 15分前に七滝ななたきが来た。


「よぉ、早くないか?」

「場所、よく分かったな。良いんだよ、俺暇だから」

「なんだそれ」


 フッと笑みを浮かべつつ向かいに座った七滝。


「んで、どんな子?」

「この前、泣いていた子とその友達」

「いつの間に」

「まあ、いろいろ」


 そう、たった1ヶ月で会話が出来るようになりました。偉い自分。


「説教が効いたのか」

「まあそんなとこ」


 別にお前に言われたからとか…あるか。

 七滝に感謝はしとこう、心の中だけでな。

 すると10分前に十田とだが友達と共に来た。


「こんにちは!平幡ひらはた君!」

「こんにちは、十田…あっ」


 彼女の友達を見て驚く。

 目を数回パチパチ。幻だよな?


「あんた…だったの?!」


 耳がキーンッ。甲高くて。

 十田は、俺と女子生徒の顔を交互に見て一言。


「お知り合い?」


 お知り合い、というか。


「「幼馴染み」」


 声と言葉が重なった。同じ事を言っているではないか!

 まさか、同じ高校だったとは。

 坂町さかまちこずえ

 幼稚園から知っている。

 ツインテールは変わらずなんだな。

 中学で離れたので、腐れ縁に当てはまらないと思っていたら、高校でバッタリかい!


「しょうがないわね、なごみんの事を守らなきゃ」

「俺は何もしていないが」

「泣かした」

「違う。泣いていた、だ!」


 誤った解釈をするな。全く、相変わらずだな。

 衝撃的な再会であった。

 そんなわけで、いざ勉強会スタートといきましょうか。

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