第7話 仲良くなるまでは早かった
あの日を境に、
いつもの振り子時計に近いテーブル席で、他愛ない話を中心に、ちょっとだけ仲良くなった。
友達と言っても差し支えないんじゃないか。
相手は俺のことをどう思っているのか分からないが、少し不安だ。
女子と仲良くなるなんて、今でも信じられない。
初めてで、たまに、どう接していけば良いのか、迷ってしまうこともある。
今のところ、彼女は嫌がってはいないから、このまま関係を築くのは有りだと判断する。
あれよあれよと、1ヶ月が過ぎていくのだった。
はしょりすぎ?いやいや、大丈夫だから安心したまえ諸君(何がだ!)。
※
この日も喫茶店で十田と話していた。
その会話にて、こんなことがあった。
「ねえ、そろそろ中間テストだね」
「あぁ」
すっかり忘れていた。
テストは億劫である。解ければ幸せ、解けずにいると疲れて諦める。
諦めるは、寝る。以上である。
「
遠慮気味に言った十田。
彼女の提案を聞いて、やる気のない俺に幸運がやってきたと思った。
ここは、前向きに。
「良いアイデアだな。是非、ご一緒したい」
「良かった!」
満面の笑顔。可愛いよ。
「お互いの友達も呼んで一緒にどう?楽しいと思うから!」
「分かった。じゃあ俺は秀才を連れてくるか」
「そんなお友達がいたの?」
「失礼だぞ」
「だって!」
まあ、友達いないイメージを払拭したいものだ。
因みに秀才とは
アイツは全ての教科での小テストがパーフェクトだったので、呼べば役に立つかと。
「そういう十田は?」
「うん、とても明るい友達なんだけど、その子を誘おうと思うの」
十田は落ち着いているので、彼女の友人と会話したら煩く感じてしまうかな。
盛り上げ役って大事か。
「場所は図書館?」
「無言はキツいかと」
「なら、どうしよう?」
十田が考えていると「ここどうかしら?」と明るく声がかけられた。
店員の
「良いんですか!?」
キラキラした目で尾沢さんを見る十田。
「いいわよ!でも2時間だけね?」
「はい!ありがとうございます!」
本当に良いのか?
「日曜の午後2時から4時は誰も来ないから、その時間帯なら大丈夫!」
「仕込み、とかで?」
「そんな所よ」
こうして次の日曜に喫茶店・
本当は2人で、なんて思ったけど、逆に集中出来ないかもな。
ちょっと感傷的になるのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます