第4話 名前を聞かない事は興味ないって事?

 休み時間の出来事を昼休みに、七滝ななたきに話した。


「それはそれは、面白いな」


 けらけら笑う七滝。どこが面白い?

 モテそうな爽やか系眼鏡男子な彼。

 切れ長の目に凛々しい眉。綺麗な顔だ。

 女装したら女子にひけを取らないだろう。

 変な事を言ったか自分、すみません。


「んで、その子の名前は?」

「ああ・・・聞くのを忘れた。というか頭になかった」


 七滝は怪訝な表情をした。


「同じ1年で組も分かって、肝心の名前聞かないとかありえん」

「んですよね」

「でもまあ」


 口角をあげてニヤリと七滝。


「お前らしいな」


 俺はおかしなやつなのか?


「名前を聞かないって事は興味ないって事だろうに」


 初対面でしたからね、はい。

 別に長く関わる保証はないから、名前を聞くことが頭になかったのだろう。


「でも興味を持て、人に。だから、ぼっちになるんだぞ」

「あっそれはうん、否定はしない」


 だが、本当は話しかけたいが自分からはなかなかな。

 完全に興味ない訳ではないが、他から見たらそう見えるのだろう。


「積極的にとは言わん。ほどよくいろんな人と話せ、分かったか?」

「善処します」


 俺は七滝に怒られた。

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