第2話 屋上で泣いている人がいたので話しかけてみた

 うちの学校は、1年だからダメ、といった訳の分からない暗黙のルールはない。

 きちんと目上の人に対してきちんとしていれば問題は起こらない。

 みんな仲良しが合言葉のようなもの。

 社会に出たら致命的になりそうだがまあいい。

 うろうろしていて、屋上に繋がる階段を発見。

 なので、行ってみた。

 屋上に着くと、ほぉ眺めがよろしくて。

 自然豊かな田舎の高校である為、本当に山しかない。

 いや、ちゃんと住宅とか店とかありますよ。

 だが、山がドカンと視界に入るというか。

 そんな事はどうでもいい。

 静かにしていると、何か聞こえてきた。

 その方向を見ると、ギョッとした。

 女子生徒が泣いていた。

 どうしたものか。見ず知らずの人に声をかけられると、嫌な人だっている。ましてや俺は男。

 さあどうするはち

 じっくり考える事、5分。短い?長い?

 ええい、言っちゃえ!

 と、勇気を振り絞って声をかけた。


「どうした?何故泣いている?」

「えっ?」


 女子生徒はポカンとした表情で、口を半開きのまま俺の方を向いた。

 間抜けな顔なのに・・・可愛いと思った。


 これが、彼女との出会いであり、俺にとって忘れられない人となる。

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