第6話 測定

「す、すげえ……」

俺の幼馴染にして前世が勇者の星月ユウイと共に前世の力を調べるために研究所の施設を使い、能力検査を行なっている。


バッシーン!

ユウイが用意されたパンチングマシンに、渾身の一撃を叩き込む。パチングマシンを壊してしまう。結果は測定不能。


次に100メートル測定。

「よーい、ドン」

メガネをかけた研究所の女性職員が声を上げた瞬間にユウイが走る。


シューーーン!

それは突風だった。感覚で言えば、0.1秒、それ以下の数値だ。本気を出しているとは思えない笑み、もし本気を出したら光速まで行くのだろうか?。彼女が走り抜けた後、風が巻き込み、周囲の測定機器を巻き込んだ。


空中に浮かぶ測定機器が、メガネをかけた女性職員に当たりそうになったので、俺が飲み込む。ゴクンッ、味はない。ペッ、吐き出す。唾液はついていない。


ユウイが人外じみた力を持っていることがわかり。職員が慌て出す。そして今度はなぜか


俺の能力検査になった。


「エイト、いくよー。準備はいい?」

「お、おう。どんとこい!」

ユウイの手には鉄でできた巨大なハンマー側面には100tと書かれている。それを俺にぶつけるのだと言う。恐ろしいが耐久テストを行うから、頼まれた。俺が潰れてしまいそう何が心配だ。俺に心臓があるのか疑問だけど。


「じゃあ。いっくねー」

鉄でできたハンマーが迫り来る。とても大きい。ってか重量100tのハンマーを持ち上げえるユウイの腕力凄すぎないか?てかどこから持ってきたんだよ!ツッコミどころ満載の100tハンマーが俺の肌に直撃した。


ガッキィーン!!!

耳を塞ぎたくなる程の強烈な音が施設内で響き渡る。俺に耳はあるかわからないけど

、なんだろう脳内に直接届くといった感覚が正しいのかな。痛みはない。


バキバキバキバキ

俺の屁の音ではないぞ。100tハンマーが衝撃に耐えきれず崩れさる音だ。


アワアワとした研究者の顔が見える。いや、

何驚いているんだよ。あんたらが100tハンマーを俺にぶつけようと言ってきたんだろうが。あっそうだ。何万円するか知らないけど、俺はまだ学生だ。お金を請求してくるんじゃないぞ。


お次に行われまするのは、容量検査であられる。検査の方法は単純明快、己の体内にいくらに物体が入る込めると言うものである。


と説明はこれでいいかな。気分展開の時代劇風にしてみたでそうろう。感想はなしで頼むでござんす。


結果から言えば、研究所内の全てを飲み込んだ。生き物全てをだ。チートすぎんか、俺の体内。吐き出したら、数センチの誤差とはいえ元の場所に戻せた。俺の扱いはどうなるのだろうか?もしかしてマグマで投げされてドロドロに溶かされちゃう!?もしそうなれば、山ごと飲み込むでやるわ。


メガネをかけた研究職員の女性(あんずさんというらしい)に俺の扱いはどうなるのか聞いたところ。


「耐久テストの結果は上に報告しますが、容量検査の結果は誤魔化しますんで……大丈夫だと思いますよ」とのこと。俺の扱いは″鉄でできたハンマーを跳ね返し容量無制限の奇妙な箱″と言う扱いになるそうだ。いいけど……いいけどよ〜ちょびっと悲しみ。


「エイト、お腹が減ったでしょ。お昼ご飯あるみたいだから食べよう」

測定が無事終わったため、ユウイに代車を押されて研究所の食堂に入った。そこには、人外ならざる者達がいた。


小鬼のゴブリン。豚鼻のオーク。耳が長いエルフに、身長が低いが老けた顔をしているドワーフなどなど、俺のような類で言えばスライムや喋る剣などがいた。


みんな異世界風な外見だが、おにぎりや唐揚げ、味噌汁を美味しそうに召し上がっている。動きは完全に日本人だ。


「ごめんエイト、お花摘み(トイレ)に行ってくるね」

「ああ、うん、ごゆっくり」

ユウイがお花摘み(トイレ)に行くことを確認する。


食堂の様子を眺めていると先日知り合った双子の少女がいた。えーと確かサクラとモミジと言ってたかな。もふもふの耳ともふもふの尻尾が生えている。半獣人のサクラとモミジだ。


「″喋る箱″きていたんのだな」「だな」

「俺はエイト、ミミックだ。ちゃんと覚えろ」

「あっかんべー」「ベー」

双子の少女、サクラとモミジは俺をからかう。ムカついた俺は彼女たちが食べていた。カレーライスを飲み込んだ。


「……えぇぇぇ!!!私達の」

「「ご飯がぁぁぁぁ」」

「すぐにだせぇぇぇ」「じゃないと引っかくぞぉぉぉ」

サクラとモミジが圧をかけてきた。可愛い。

でも返してやるものか。俺を侮辱した罰だ。


そんな微笑ましい?光景が繰り広げられている時に、突如としてソイツはやってきた。


研究所の壁をブチ破って。


『日本ならびに世界を支配しろ。その力で』

『日本ならびに世界を支配しろ。その力で』

『日本ならびに世界を支配しろ。その力で』

『日本ならびに世界を支配しろ。その力で』

『日本ならびに世界を支配しろ。その力で』

『日本ならびに世界を支配しろ。その力で』

『日本ならびに世界を支配しろ。その力で』

『日本ならびに世界を支配しろ。その力で』

『日本ならびに世界を支配しろ。その力で』

『日本ならびに世界を支配しろ。その力で』

『日本ならびに世界を支配しろ。その力で』

『日本ならびに世界を支配しろ。その力で』

合計12の声。太い声から細い声、高音低音、女性、男性、の様々の声がした。そいつはネズミ色のパーカーを着用した2メートルを超える巨大な身体、血塗られた赤い仮面をかぶっている。


なんなんだこいつ!。折角の休憩時間を邪魔しやがって許せねえ!


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幼馴染は勇者と魔王〜俺は前世帰りでミミックに!?〜 阿倒 道一 @MK00

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