【短編】未来の俺からメッセージが届いたが、明日俺は学年一の美少女に告白されるらしい。

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未来の俺からメッセージが届いたが、明日俺は学年一の美少女に告白されるらしい。

「なんだこれ」


 梅雨も過ぎ去り、太陽が燦燦と輝く、夏の訪れを感じた頃だった。

 高校二年生の七月。青春の真っ只。俺こと、相楽相馬さがらそうまに不可解な現象が起こった。


 いや、正確には不可解なメッセージが届いた。


 ラインと呼ばれるチャット用アプリに見たこともないアカウントからメッセージが届いたのだ。


『過去の俺へ』


 冒頭はそんな内容だった。

 全く。今時出会い系だかなんだか、知らんがメールだけでなくラインにまでこんなメッセージが届くようになったのか。

 良い迷惑だ。


 そう思ったものの、なんとなく俺は興味本位でそのメッセージをタップし、開いた。


 そこには長文でこう綴られていた。


『過去の俺へ


 明日、お前は学年一の美少女である、

 白石静華しらいししずかから屋上にて告白を受ける』


「え!? マジで!?」


 思わず声が出た。

 白石静華さんといえば、学校で知らない人はいない。去年の学祭で一年生ながらミスコンで優勝したほどの超絶美少女。

 頭もよく、誰にでも優しい。スタイルも完璧。おっぱいも大きい。運動神経も抜群で走っている時のおっぱいの威力も抜群だ。

 俺の見立てでは、一年生の頃からさらに成長して、今もなお成長を続けていると思われる。きっとあの豊満なお胸に抱きしめられたらどんな人間も昇天することだろう。


 え? さっきからおっぱいの話ばっかり?

 うるせぇ! おっぱいで世界は救えるんだ!! もっと話をさせろ!!


 まぁ、そんな静華さんではあるが、もちろん多くの男子生徒は放っておかない。先輩から同級生、後輩に至るまで大多数の生徒から告白を受けている。


 しかし、一人として、彼女と付き合うという関係にまで至ったものはいない。

 噂では女子生徒が好きなのではないかと言われるほどだ。


 そんな彼女が俺に告白する、なんて言葉を見れば、反応しちゃうのも当然である。

 まぁ、こんな怪しいメッセージ、きっと嘘だ。わかってるよ、それくらい。

 続きを読もう。


『お前はこれを見て、嬉しさのあまり飛び跳ねていることだろう。

 そんなお前に忠告しておいてやる』


 俺は思わず振り返ったが、誰もいない。誰かに見られている? 嘘だとわかっていたけど俺は告白されるという言葉を見て、狂喜乱舞、飛び跳ねていた。

 そしてそれに続く言葉を読む。


『その告白は必ず、断れ』


「告白を断れだぁ?」


 何を馬鹿なこと言ってやがる。とち狂ったか。

 白石さんに告白されて、断るバカがどこにいる。

 いや、分かってるよ。こんなの誰かの悪戯だって。わかってるもん。うん。


『疑り深いお前のことだからきっと信じないだろう。だからこの後のお前の身に起こる出来事を言い当ててやろうと思う』


 当てれるもんなら当ててみやがれ!!


「あでっ!?」


 なんだ!? 続きを読み進めようとしたら頭に何かがぶつかった。そしてぶつかった何かがコロコロとすぐ側を転がる。


「野球ボール?」


 普通に痛いんだが。当ててみろっていったのはそういうことではない。

 グラウンドの方では野球部がノックをしている。

 なるほど。あれが飛んできたのか。

 俺の方まで来たのに誰も気がついてないってどういうことだよ。


 まぁ、いい。俺はラインの続きを読み進める。


『野球ボールが頭に直撃する』


「ッ!? は、え?」


 どういうことだ? え? まさか本当に?

 本当に言い当てた!? えっと、どういうことだ?


『驚くのも無理はない。だけど、当てられて当然だ。未来のお前である俺は、既に経験したことを伝えているだけなのだからな』


 なるほど。仮にこいつが本当に未来の俺だと仮定して、こいつもここで野球ボールに当たったというわけか。

 じゃあ、明日白石さんに告白をされるというのも本当のこと? いや、ボールに当たるよりも信憑生が低いし、何より彼女が俺のことを好きだなんてありえない。この一般ピープルなる俺のことを。……本当に告白されるの? ひゃっほい!!


『少しでも信じてもらえたなら。

 もう一度言うが、明日の白石静華からの告白は断れ。

 断らずに付き合った場合──


 付き合った場合、何だってんだよ。


 ──死ぬ』


「うそん。いやいや、死なんだろ」


 お前生きてるやんけ!! これで信憑性はまたゼロに戻った。はい、明日俺は白石さんに告白なんてされません! 嘘です! ……嘘だぁ。告白してよぉ……。


『現に俺は不幸になり、もうすぐ死ぬ間際だ。

 だから、必ず告白を断れ。いいな?』


 クソったれが。もういいわ。告白されないのも悲しいがされてOKしても死ぬだと? 嘘だ嘘だ、こんなもん!


『後もう一つ、俺が未来のお前であることの信憑性を高めておいてやろう。

 もうちょっとしたら香里奈が来るよ』


「え?」


 苅田香里奈かりたかりなは俺の幼馴染みである。

 家も近所に住んでいる腐れ縁ってやつだ。


「そーま! やっ! 何してんの?」

「お、おお!? 香里奈!?」


 香里奈が俺の背後から声をかけてきた。

 本当に来たぞ!? やっぱり本当!?


「何慌てちゃってんの? あ、もしかしてえっちなの見てたでしょ」

「見てねぇやい!!」

「嘘つけ〜。ほら〜見せてみ?」

「あ、こら」


 香里奈は俺のスマホを奪い取り、そこに映し出されている画面を見た。


「どれどれ、過去の俺へ? だって!! ふむふむ、ええ!? 明日、白石さんに告白されるの!?」

「返せ!!」

「あっ!」


 俺はすぐに香里奈からスマホを奪い返すとすぐにホーム画面に戻り、ポケットにしまった。


「へぇ〜白石さんから告白ねぇ〜。いくらモテないからって自分でそんなこと打ってて悲しくならない?」

「うっせえやい」


 自分で言ったんじゃないもん! いや、未来の俺だから自分なんだけど、自分じゃないんだ。信じてくれ。

 それに告白されても破滅するらしいから。

 都合の良い部分だけ切り取るのやめてくれ。


「まぁ、何か辛いことがあったんだろうけど、私はずっと悠の幼馴染みだからね……っ!!」

「そんな哀れむ目で見るな。いくらモテなくても自分で自分宛にこんなこと書かんわ」

「ふ〜ん、そう? 十分ありえそうだけど」

「俺をなんだと思ってんだよ」

「残念な変態」

「正解」

「じゃあ、私カバン持ってくるから待ってて!」


 そう言って、香里奈は走っていった。


 その後、香里奈と一緒に家に帰った俺は、寝る前に今日きた不審なラインに返信をしてみた。しかし、その返信は相手に届くことはなかった。


『メンバーがいません』


「一体どうなってんだよ、くそ」


 結局、意味もわからず、翌日を迎えてしまった。



 ◆


 あのメッセージが本物ならば、今日、俺は、白石静華さんに告白されることなる。

 正直、今の気持ちは半分半分だ。

 白石さんへの気持ちがではない。あのメッセージが本当か嘘かの割合だ。

 白石さんへの気持ちは100パーセントだ。そら、告白されたら即OKしちゃうくらいには付き合いたい。


 そう言うわけで、放課後。

 俺は屋上へ呼び出されていた。WHY?


 いや〜。正直、今日はもうないなって思ってました。

 そしたら? え? マジなの?


『放課後、話があります。屋上へ来てください。

 白石静華』


 へぇ。これがいたずらならよかったんだけどさぁ。


 メッセージには続きがあったんだ。昨日帰ってからもう一度、メッセージを読むとそこにはその日の俺の晩飯から風呂に入る時間、就寝するまでにすることまで書かれていた。そしてそのどれも全てが正解だった。


 もうむしろ、恐怖だよね。俺、誰かにストーカーされてるわけじゃないよね? そんなことを思っていたら、その思考すら、届いたメッセージに書かれていた。


 リアルに言い当てられすぎたせいで現実味がやや薄れていた。

 だから逆に放課後まで白石さんから全くアクションなくて少しだけホッとしていたんだけど、どういうわけか俺の机の引き出しに手紙が入っていたのだ。


「マジで来ちゃったよ」


 俺が屋上についてもそこにはまだ誰もいない。

 ならいっそ、ドッキリでした、の方が良い気がする。


 だって本当に来たら、マジで未来からの俺のメッセージを信用しなくちゃいけなくなっちゃうもん。信じたい自分と信じたくない自分の半々。もう自分の中でも訳がわからないことになっていた。もう、どっちでもいいや。


 そう思っていたら、背後から屋上のドアが開いた。


 ドクンと二つの意味で俺の心臓が高鳴る。


「お待たせしました!」


 振り返ればそこには天女がいた。

 ま、眩しすぎぃ!!!


 流石、学年、いや学校No.1の美少女。普段、あまり話したことない彼女とこうやって正対するだけでその邪な心が浄化されていくような気がする。

 ああ、おっぱい。触りたい。


 俺は邪念の振り払い、震えそうになる声をどうにか落ち着かせて振り絞って声を出す。


「えっと、白石さんが呼んだんだよね。何か俺に用かな?」

「そ、そうです……すみません、ご迷惑でしたでしょうか……?」


 白石さんは少し申し訳なさそうに、だけど頬を赤らめてこちらを上目遣いでそう言った。


 ひゃああああああああああああああああああああああああ。

 かわいい。かわいい。かわいい。かわいい。かわいい。かわいい。かわいい。かわいい。かわいい。かわいい。かわいい。かわいい。かわいい。かわいい。かわいい。かわいい。かわいい。かわいい。かわいい。かわいい。かわいい。かわいい。かわいい。かわいい。かわいい。かわいい。かわいい。かわいい。かわいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!!!!!


 ダメだぁ。もう俺はダメだぁ。可愛くて、どうしよう。


「ぜ、全然迷惑じゃないよ。むしろ大歓迎!! なんなら、朝から晩まで呼んでくれたら例え、火の中、水の中、森の中、スカートの中どこだって駆けつけるよ!!!」

「ふふ、相楽くんって面白いですね」


 ああ、笑ったぁ。匂い嗅ぎたい。


「その、実は相楽くんに言いたいことがありまして……」

「う、うん……」

「私、私……相楽くんのことが────」


 独特な空気感。その言葉を紡ぐ前にもう何を言われるかこの雰囲気でわかっていた。

 あ、これ、マジなやつだ。 


 ここで唐突に俺の脳裏に昨日届いたメッセージのことが思い起こされた。


『告白は必ず、断れ』


 危ない。付き合ってくださいと言われたら、条件反射で答えそうになっていた。

 だって、あまりにも目の前に白石さんが可愛すぎるんだもの。

 卑怯だよ。あれは。あんな子に告白されたら即答しちゃうよ。


 なのに、なんでだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!

 なんで俺は踏みとどまってんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!

 理由ならわかってる。昨日のメッセージのせいだろ?


 わかってるんだけど、わからなぁぁぁぁぁぁぁい!!!!!

 普段なら即断即決の俺なのに。

 こんな可愛い子に告白された間違いなく、幸せになれるはずなのに。

 なのにぃぃぃぃぃ。


 昨日から当てられすぎているせいで、断らないと俺が死ぬってことが俺の理性を食い止めている。


 DEAD OR ALIVE。

 生か鹿。


 鹿ってなんだよ。

 それじゃあ、あれだよ。あれ。鹿って英語でなんだ?

 いやいや、鹿なんてどうでも良い。

 生か死か。


 ここで断っても、俺は後悔しないか? あの時付き合っていたら、と思わないか? 本当に白石さんを振ることが正解か? その先、生きながらえても本当に幸せになれるという保証はあるのか?


 じゃあ、受け入れた場合はどうなる?

 受け入れたら、白石さんと付き合えてハッピー。俺も幸せ。あのおっぱいを堪能できる。幸せ。

 ……というかいつ不幸になるんだ? いつ死ぬの? 明日? 一年後? それとも数十年後? 明日だったら流石に無理。だけど、十年後だったらわからん。

 そこまで先のことなんてわからんからな。


 さぁ、どっち? どっちを選べば正解だ?

 少しでも幸せを味わって死ぬか、不確定な幸せがあるかもわからない生を選ぶか。

 うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ。


「あ、あの。相楽くん?」


 あまりに考えすぎていたため、白石さんが心配そうに覗き込んできた。


「うおっ!?」


 俺は眼前に広がる白石さんの美しい顔といい匂いにより、思わずのけぞった。


「その急にぼーっとしたからどうしたのかと思って……」

「いや、ごめん。大丈夫! 続きを聞かせてもらっても良い?」

「じゃ、じゃあ、改めて。私、相楽くんのこと──」


 ぶぶっと、俺のポケットで何かが震えた気がした。



 ◆


 夕日が沈む中、俺は自宅までの道を溌剌と歩いていた。

 そして後ろから何かがすごい勢いで俺に近付いて来るのがわかった。


「そーまっ!! やっ! 何、どうしたの? 随分元気だね! 何かいいことでもあった?」

「あー、まあ。あったかな」


 後ろから前と同じように声をかけてきた香里奈に答える。


「ええ!? 気になる! 何があったの?」

「それは秘密だ」

「なーにー?? 教えてよ!!! ねえってば!!」


 香里奈は俺の体を揺さぶってくるが俺は少し、笑いながら無視して歩を進める。


「そんなに教えて欲しい?」

「教えてくれなかったら、今日の夜ご飯作ってあげない!!」

「うわ、ひでぇ。それじゃあ、仕方ないな。今日は、カップラーメンでも食べるとしよう」

「えええ!? そこは教えてくれる流れでしょー!?」

「なんでそんなに気になるんだよ」


 くくっ、と笑いが溢れる。


「だって、いつも死んだ魚の目をしてるような幼なじみの目が煌いてるんだもん。そりゃ気になりますってもんですよ!」


 どんな目してんだよ。

 まぁ、いいか。


「実はな。今日、白石さんに呼び出されたんだ」

「ええ!? そ、そうなの!?」

「そうそう。屋上に放課後来てくださいってな」

「あ、まさか昨日のメッセージの? あれって本当だったの!?」

「ああー、本当だったみたいだ。そこで俺さ、まさかのまさか」


 ゴクリと横で香里奈が唾を飲み込んだのがわかった。


「告白されちまった」

「っ!! う、うそぉ……」

「ウソみたいだけどホント」

「だ、だからそんなに楽しそうにしてたんだ……」


 香里奈は目に見えて元気がなくなっていく。それが何故なのかわからない、今の俺ではなかった。


「そ。そういうこと。学年一の可愛い子から告白されるとか、俺すごくね?」

「そだね……おめでとう……」

「いや〜、俺みたいな頼りない男のどこがいいんだかわからないけど、面白くて優しいところがいいんだってさ。物好きな娘もいるもんだ」

「確かに変だね、その子……」

「失礼なやつだな」


 元気なくなりすぎだろ。いくらなんでも。いくら、幼なじみの俺に先を越されそうになったからって。自分だってモテるくせによ。


「……だけど、断った」

「え?」


 そう俺は断ったのである。

 俺は結局、未来から来た俺のメッセージを信じることにした、ということだ。

 短い期間だったけど、あそこまでポンポン当てられたらな、いくらなんでも信じないわけはなかった。

 確かに告白を受け入れていれば、その瞬間はすごく嬉しかったかもしれない。

 だけど、その先に待っているのが破滅ならば話は別だ。


「そ、そうなんだ。へぇ〜。もったいないねぇ〜? へぇ〜? ふーん? どうして断ったの?」

「まぁ、いろいろあってな」


 未来の俺からの助言ってやつだな。


「それはそれは、残念だったね〜! 今日はフラれた可愛そうなそーまに特別に夜ご飯はハンバーグを作ってあげよう!!」

「フラれてねぇから。まっ、楽しみにしておくわ」


 唐突に元気になった香里奈に苦笑した。


 確かに選ばされたのかもしれないけど、それでも俺に悔いはない。側から見れば学校一の美少女からの告白を受けないことは勿体なかったと思われるかもしれない。


 だけど、あの瞬間、もう一度、俺に未来の俺からメッセージが届いたのだ。


『後悔だけはするなよ。今までずっと一緒にいたやつと離れなくちゃならないことを後悔だけはするな』


 それが誰のことを言っているのか、俺は一瞬でわかってしまった。

 そして気がついてしまった。

 その人のことが大切であると。

 その人のことを置いていってしまうことを考えると悲しくなった。


 それを気がつかせてくれた未来の俺には感謝しておこう。

 だから俺は彼女からの告白を断ったのだ。


「なにニヤニヤしてるの〜?」

「いや、なんでも。ハンバーグ楽しみだ」

「そうだね!」


 俺は、夕日の沈む道を幼なじみの香里奈と一緒に歩いた。

 今日は熱帯夜になりそうな予感がした。











 ***


 いよっしゃああああああああああああああああああああ!!!!

 っしゃあああ! おっしゃあ! おりゃあああああああ!!!!


 私は幼なじみの相楽相馬の横で歓喜に震え、内心で絶叫していた。


 私、苅田香里奈には好きな人がいる。

 それは、昔からずっと一緒にいた幼なじみだ。

 彼とは、もう何年も一緒。だけど、一向に彼は私のことをただの幼なじみとしか思っていなかった。

 だけど、私は違う。ずっと好きだったのだ。だけど想いを告げられずにいた。

 本当は伝えたかったけど、関係が壊れるのが怖くて伝えられなかった。


 そうこうしているうちに、私は聞いてしまったのだ。

 彼女、白石静華が今日、私の幼なじみである相楽相馬に告白するということを。

 私は頭が真っ白になった。

 彼女、白石さんは学校でも一番の人気の美少女。私が普通に戦ったって太刀打ちできる相手ではなかった。


 普段からも相馬は白石さんかわいいなー、付き合いたいなーと言っていたので、今告白されてしまえば、必ず付き合うと思った。


 だから私は計画した。

 ラインの捨てアカウントを取得して、彼が告白を断るように仕向けるのを。


 実行してしまえば簡単だった。

 幼なじみである私は相馬の行動計画など手に取るようにわかる。

 それをあたかも予言のように送れば、相馬は信じることは間違いなかった。

 ご飯とかも私が作ってあげることも多いし、家に行くことが多いからね。

 意外すぎるほど、相馬は規則正しく生活してるからなおさら簡単だった。


 そうして迎えた今日。

 私の祈りは通じ、彼は告白を断った。


 私は勝利したのだ。

 そして今度こそ、私が想いを告げる。

 私が彼を幸せにしてあげるのだ。


 今日は彼の好きなハンバーグを作ろう。そしてその後、告白する。絶対に!!

 好きって気持ち伝えてやるんだからぁ!!



 それにしても私に届いた、未来の私を名乗る人は一体誰だったんだろう?

 まぁ、いっか。誰かのいたずらかもしれないけど彼女のおかげでいい作戦が思いついたんだから!


 せっかくだから昨日削除したアカウントはいたずら用に残しておいた方がよかったかな?


「何笑ってんだよ?」

「ふふ、内緒!!」


                ──了。



──────────


後書き


また気分で短編を作りました。

前回のとは少し毛色を変えています。


未来の自分からメッセージが来たらどうしますかね?


一回長編でやることも考えたことのある題材です。

長編でやるなら、未来からのメッセージにしたがって行動するんだけど……翻弄されてラブコメする的なやつですね。この場合、本当に未来の自分から届くやつ。


感想があればぜひ、お願いします!


また、少しでも作品に興味を持っていただけた方は、評価や作者のフォローをして頂ければ幸いです。


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