第37話 おっぱい皇子、義姉にぱふぱふされる

 「ってことは、あのバカ兄貴が攻めてくるのですか?」


 「うん…私も止めようと裏で色々動いてたんだけど、実権はツェーザルさんがみんな握ってるみたいで…ごめんね」


 「あなたのせいじゃありません。オレも今まで何をできずに申し訳ない」


 空からおっぱいが降ってきた日の夜。


 【進撃の巨乳】ことオレの義姉リンダ・ドナートを家に招き、おおまかな事情を聞いた。


 オレがこっそり裏で色々やってたことがエルデネト帝国にバレたこと。


 それを聞いて焦ったアルバンが、リンダを無理やりエルデネト皇帝に嫁がせようとしたこと。


 リンダがアルバンの股間をマジカル⭐︎ストライクしてケムニッツを脱出したこと。


 アルバンがそれにもめげず、傭兵たちを率いてリューゲン島を討伐するつもりであること。


 手紙を送る間もなく、状況は刻一刻と変わっているらしい。


 「あとどれぐらいになりそうですか」


 「正確には分からないけど、あと1ヶ月」


 「なんだ、それぐらいあれば十分です」


 「え?」


 これ以上リンダを心配させないようにオレは微笑む。


 「今この島には【南方艦隊】の精鋭と一騎当千のツワモノが大勢そろってます。バカ兄貴には遅れをとりません」


 「…えへへ、弟くんは頼もしいね」


 「一度ぶん殴ればあいつも自分の愚かさに気づくでしょう。もちろん、無駄な犠牲は出しません。真なる敵はエルデネト帝国、バカ兄貴も操られてるにすぎませんから」


 「分かった。じゃあ、私も協力させて。地属性魔法には少しだけ自信があるから…」


 リンダがこちらにそっと身を寄せてくる。


 上品な香水と、ほんのわずかな汗の匂い。


 今二人はかなり密着している。




 なぜなら、同じベッドのシーツの中にくるまっているからだ。


 抱き合って密着し、ヒソヒソ声で話している。


 念のためスパイとかその辺を警戒してですよ?


 エミーリアやアメリーにも周囲を見晴らせてるし。


 別に久々に再開した義姉といかがわしいことなんてー、


 「弟くんっ…」


 どしーん!


 エンダがリューゲン島の肌着をはだけさせる。


 すでに限界を迎えていた胸元が開き、中の【進撃の巨乳】があらわになった。


 何を食ったらこんなに大きく、丸く、そして柔らかくなるのだろうか。


 むわっとした甘い匂いがシーツの中に漂い、オレの理性は一瞬で溶けていく。




 ーあなたが弟くん?私リンダっていうの。よろしくね!


 ーひどいよね、アルバンお兄ちゃんは。何かあったらすぐに私を頼ってね!


 ー弟くん。私…実は弟くんが好きなの!おじいちゃんの貴族じゃなくて、あなたと結婚したい!


 過去の光景がいくつか脳裏に浮かぶ。


 親父以外で味方になってくれたのはとても嬉しかったけど、3年後にまさか告白までされてしまうとは…

 

 しかし悲しいかな。


 その当時からすでにエルデネト帝国は色々と怪しい動きを見せていたのだ。


 帝国の野郎、ぜってぇ許せねえ!


 ーそう…だよね。弟くんには使命があるもんね…


 泣く泣く断ったオレを見て、リンダは一瞬しょんぼりとした。


 だが、すぐに笑顔で顔を上げた。






 ーじゃあ、戦いが終わるまで、リンダの胸でぱふぱふしてあげる!


 「久しぶりだなぁ…弟くんをぱふぱふするのは…」


 いつのまにか、オレより背の高い義姉に両肩をがっちりホールドされ、逃げられなくなった。


 オレの視界に映るのは、義姉の上気した顔と、それを隠さんばかりの【進撃の巨乳】だけ。


 「最近また大きくなって、下着を探すのも一苦労だったの…」


 あまりに大きすぎて、先端は少し陥没してしまっている。


 だが、嫌いじゃない。


 おっぱいはやがてオレの視界の全てを埋め尽くしていきー、


 「んん…」




 やがて顔を覆いつくした。


 「ぱふぱふ…」


 何も見えないが、おっぱいの弾力のある感触、少し汗をかいて鳥肌が立っている皮膚のつるつるさははっきりと分かる。


 どしーん…どしーん…


 リンダはおっぱいを軽く上下させ、その暴力的なまでの柔らかさでオレの頬をマッサージした。


 「弟くん、体のあちこちが成長してる…私が見ない間に、たくましくなったんだね…きゃっ!もう、腋は弱いって言ってるでしょ…」

 

 やがて、リンダの肉感的な美脚やぷるぷるとした二の腕もオレの体にキスをかわし、交わりを深めていく。




 …バカ兄貴、今は少しだけ感謝しておいてやるぜ。


 天使の抱擁に包まれながら、オレはおっぱいの圧力で意識を失った。 




 次の日。


 オレは島のみんなを集めて会議を行った。


 こうなれば隠しておくわけにもいかない。


 「みんな!1〜2週間もすればバカ兄貴が攻めてくる!というわけで念のため避難をー」


 「バカ王の兵なんて怖くねえよ!」


 「そうだそうだ!ユルゲン皇子がいればザールラントもリューゲン島も平和になる!」


 「おらたちにも手伝えることがあれば言ってくれ!」


 「ええ…」


 みんなやる気らしい。


 「島のみんなが言うなら仕方ないねえ」


 島長のアストリットねーちゃんも乗り気だそうだ。


 「仕方ねえ。お前ら、オレについて来いっ!!!」


 「「「うおおおおおおおおおおっ!」」」


 【リューゲン漁場】が落ち着いてからわずか数日。


 島は再び慌ただしくなったが、島民たちの顔色は明るいのであった。

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