第31話 貧乳おっぱい、姿を現す

 リューゲン島へと戻った後、オレはみんなと対策を協議することとなった。


 あのウミヘビをどうにかしねえと【リューゲン漁場】を取り戻したことにならねえ。


 もし術者が死んで暴走状態ならなおさらだ。


 「といっても、俺含む【南方艦隊】の火属性魔法は効かないっぽいんだよな…」


 「「「すみません、皇子…」」」


 カールハインツ含むミニスカ水兵さんたちはお手上げらしい。

 

 「クラーラ、海の生物の中で【交信】できるものはいるのか?」


 「いるけど、あのウミヘビを倒すのは難しいかな…」


 「エミーリアはどうだ?」


 「色々考えてみましたが、一手が足りません。海の中では体液の成分も薄まってしまいますし…」


 クラーラとエミーリアも困り顔だ。


 (そう、一手が足りないんだよな…あと一手あれば、あのウミヘビを退治できる)


 オレはひとしきり悩んだが、結論はほとんど決まっていた。


 こんな時に役立つ奴は一人しかいねえ。


 ちょっと癖が強いが、オレのために力を尽くしてくれる存在。




 「…よし!」


 オレは懐に隠し持っていた宝石を取り出した。


 ーこれは【再会の宝石】だ。オレも同じものを持ってる。俺が自分のものに両手を添えて呼びかければ、お前の【再会の宝石】は光り輝く。


 ーその時が、アメリーが呼ばれた時と思っていいんですね?


 ーああ。お前の弓の腕は、頼りになるからな。


 ーへへへ…照れるなぁ。いつまでも泣いていられませんね。


 ザールラント随一の弓の腕と貧乳を持つ小悪魔系美少女。


 噂によればバカ兄貴のケツに弓をぶっ刺して逃亡したらしいが、サバイバル技術にも長けたあいつなら無事逃げおおせているだろう。


 今こそ、力を借りるとき。


 「頼んだぜアメリー!再会の時は…今だ!!!」


 オレは【再会の宝石】に両手を添え、力強く呼びかけた。


 これで遅くても数週間後にはー、






 ふにゅん…


 「にひひ♡」


 突如視界が暗闇に包まれ、辺りには貧乳の気配が漂う。


 鼻腔をくすぐる甘い香り。


 ここは天国か?


 「待ちくたびれましたよ、先輩♡もう…自分1人で何回もしちゃいました♡」


 ふにゅにゅにゅん…


 いや、ここはリューゲン島に他ならない。


 視界が暗闇なのは、何者かがオレの頭に小さな胸を埋めているから。


 小さいながらも両手で精一杯谷間を作り、感触を味合わせようとする。


 「久しぶりだなアメリー。いよいよお前の出番が…」


 「あんっ♡そんなたくましい腕で乳房に触っちゃ…いや♡こんな人がいる前で…♡」


 「話を聞けい!」




 アメリー・ハーゲンベックその人である。


 

 ****

 


 「もう♡ドヤ顔で追放されたかと思ったら故郷でイチャコラおっぱいハーレムなんてずるいですよ♡」


 人払いをして2人きりとなった室内。


 アメリーはケムニッツで別れた時と少し服装が変わっている。


 「どうしたんですかぁ♡アメリーのエッチな姿見て興奮しましたぁ♡」


 上半身にまとっているのは、貧乳の頂点をわずかに隠す露出度を極限まで高めた極小黒ビキニのみ。


 布も薄く、乳首の形がはっきりとわかる状態だ。


 腰布も鼠蹊部のわずかな部分しか隠してない…というかもうこれ露出狂だよ。


 ケムニッツならとっくに風紀を乱した罪で収監されているはずだ。


 貧乳や幼児体型スタイルを露出度の高さで補おうと言うのか…メスガキ系策士め!


 「興奮はしてる。だが、まずは重要な話からだ」


 「【リューゲン漁場】で何かあったみたいですね♡」


 「ああ。エルデネト帝国の奴らは追っ払ったが、でっけえウミヘビを放たれてな。海の中に潜むあいつを仕留めるのに、お前の力がいる。力を貸してくれるか?」


 「はい♡そのために島にやってきましたからね♡」


 「そうか。助かるっ!」


 オレは深々と頭を下げた。


 「元はといえばお前には何のかかわりもない戦いだ。感謝の気持ちしかねえぜ!」


 「いいんですよ♡先輩のためなら命でも喜んで捧げるのがアメリーの喜びですから♡」


 「よし、そうとなればさっそくリベンジだ!明日にでもあいつをー」


 「はい、ストーップ♡」


 家を飛び出そうとしたオレをアメリーは静止した。


 「先輩、何か忘れてませんか?」


 「忘れる?」


 「今の先輩、おっぱい力がほとんどなくてすっからかんですよ♡」


 「あ」


 そういえばウミヘビの攻撃からみんなを逃す時に使い果たしたんだっけか。


 今のままではオレはただの赤ら顔の変態である。


 「まずは力を回復することから始めましょ♡それと、1つだけ条件があります♡」


 「条件…?」


 「はい♡」


 アメリーはビキニの紐に手をかけ、スルスルとずらした。


 ビキニがぽとりと落ち、アメリーの少し膨らんだ乳房が露わとなる。




 「もしウミヘビを仕留めたら…先輩をたーっぷり可愛がらせてください♡」




 アメリー・ハーゲンベックは、どちらかと言えばSっ気が強いのであった。


 


 

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