第21話 おっぱい楽園への到達

 「アルノルトだぁ!?でも男性名だろ」


 「うん…本当の名前はクラーラ。クラーラ・グルーバーなの」


 まったく冗談がすぎるぜ。

 

 オレの知ってるアルノルトはもっととぅとぅるるんっ!!!って感じなんだが。


 こんなぷるるるるんっ!!!って感じの南国【若乳】おっぱい備えた南国美少女であるわけがない!


 ーどーしたアルノルト。トイレか?なら連れションしよーぜ!


 ーい、いや!僕は1人でする!


 ん?


 ーおーいアルノルト!山でカブトムシ取りに…


 ーきゃああああっ!まだ着替えてる時に来ないでよ変態!


 ーなんだよ、男同士なのに変なやつだな。


 あれ…?


 ーユルゲン。クラーラにはもっと優しくするのですよ?


 ークラーラって誰だよかーちゃん。そんな奴知らねーぞ。


 ーあっ…こほん、アルノルトのことです。彼女…じゃなかった、彼にはもっと優しくしてあげなさい。


 あ…


 ーなんだよ急に胸触ってだなんて。そんなんで男の雄っぱいは大きくならないぞアルノルト。


 ーな、なるもん…あっ…そこ、もっと、触って…そう、もっと、もみもみしてぇ…


 ー変なやつだなぁ。


 OH…




 思い当たる節しかなかった。


 「すみませんユルゲン」


 それを裏付けるように、エミーリアも申し訳なさそうな表情を浮かべる。


 「クラーラさまから、ユルゲンには絶対言わないでほしいと口止めされてたもので…」


 「マジか」


 子供の頃仲良く遊んでた男友達が実は女だった。


 よくある話だが、なんだか頭がクラクラ、クラーラだけに。


 「うわあああああん!!!会いたかったよぉおおおおお!!!」


 「おうふっ!」


 そんな思考はオレを押し倒して馬乗りになってきたクラーラ本人に遮られる。


 ムギュギュギュ!


 何一つ隠すものがない、南国産のみずみずしい双丘を惜しげもなく押し付けてきた!


 言っておくがさっきの【ヒガシダイオウイカ】の粘液でぬるぬるの奴をだ!


 義姉のリンダほどではないが、エミーリアのものよりは確実に大きいし、若さゆえの柔らかさもばつぎゅん!


 日に焼けた全身よりやや白いのがエロティックだ!


 垂れることもなくツンと上を向いた先端もグッド!


 「あたしっ…ユルゲンのことだけずっと考えてたの。成長したあなたに会って、あたしのおっぱい、こんなにおっきくなったよって…遠慮せずもみもみしてもいいんだよって…」


 そう言うと、クラーラはぬるぬるになった全身でオレを抱擁する。


 クニッ…


 「ひゃうん…えへへ、ユルゲンの胸も成長したんだね。あたしのおっぱい、ユルゲンの筋肉で潰れちゃった」


 柔らかな感触が胸全体を包み込んだ。


 クラーラが自らの【若乳】を起用に滑らせ、オレの上半身をなぞったのだ。


 全身ぬるぬる状態にも関わらず、むっちりと肉厚な乳房はオレの体に魔法でもかけたかのようにまとわりつく。


 なんという柔らかさと弾力。




 これが、若さか…


 「ど、どう?ユルゲンあたしのおっぱい、気に入った?」


 澄んだ瞳をうるうるさせる、頬をほんのり朱に染めながらアストリットは尋ねる。


 「最高です!」


 「やったぁ!ユルゲン、これからはずーっと一緒だよ?」


 「ああ。オレも会えて嬉しいよ」


 「うん!あ、でもいきなりわしづかみにしちゃダメ…さっき触手にぬるぬるされたばかりで、体が熱いの…」


 「すまんっ!手が自然に動いた!」


 「もうっ…あたしのおっぱいを好き放題してもいいのは、ユルゲンだけなんだからね…?」


 こんなにも形を変幻自在に変える逸材はそうない。


 今だけは【ヒガシダイオウイカ】に感謝ー、

 





 「む〜〜〜〜…」


 あれ?


 なんでエミーリアがむくれてるんだろう。


 頬を膨らませ、メイド水着服をゆっくりとはだけさせた。


 ぷるんっ…


 白い美乳が姿を表す。


 右半分だけ露出させるのがフェティシズム全開。


 「昨日の夜はエミーリアのおっぱいだけを愛してると言って…あれだけ弄んだのに…クニクニしたのに…」


 「え」


 「浮気ものの子供には、お仕置き、ですっ」


 「いや、その愛は親と子とかもっとこうエモい感じのー」


 ムギュギュ💢


 問答無用でエミーリアはオレの顔に【母なる乳】を押し付ける。


 急に視界は真っ暗闇。


 女の目になっているエミーリアの耳に、オレの弁明は届かないのだ!




 すーっとオレの意識は失われていくが、確かな幸せを感じるのであった…


 

 ****



 「はっ…夢か」


 【赤獅子号】あかじしごうで目を覚ました時、エミーリアが心配そうにこちらを見下ろしていた。


 「すみません。ちょっと、やりすぎました」


 「何言ってるんだ。全部夢でしょ?いきなり男の幼馴染が南国美少女おっぱいになってるなんてー」


 ムギュッ…


 ぬっ。




 この感触は…


 「夢じゃないよ。ユルゲン」


 背中から誰かが抱きついていた。



 

 柔らかい微笑み。


 艶やかな亜麻色の髪。


 ふっくらとした唇。


 間違いない。



 

 アルノルトあらため、クラーラだ。


 「こんな美少女が隣にいて気づかなかったなんて、オレも見る目のない男だな」


 「そんなことないよ。昔のあたしは本当にちんちくりんだったし。それより、はら!」


 クラーラが前を指差す。




 そこには、5年前に見たきりの光景がそのまま広がっていた。


 砂がキラキラと輝き、ゴミひとつ落ちてない【ポセイドン浜】。


 子供の頃より少し小さく見えるが、荘厳な雰囲気は何一つ変わらない【トモーロス山】。


 本土のような濁りがまったくなく、底で泳いでいる魚までよく見える海。


 何よりー、




 「みんな!ユルゲン皇子が帰ってきたって!」


 胸周囲だけを覆う小さな水着じゃ隠しきれない、肉眼的なおっぱいをプルンプルン言わせながら船に駆け寄る海女さんたち。


 「ユルゲンお兄様が!?見に行かなきゃ!」


 まひらひらした薄衣を風に靡かせ、背徳的な蕾のおっぱいをチラチラ見せながらやってくる少女たち。


 「おーい!ユルゲンのぼうやが帰ってきたって!今日は祭りだぞ!」


 まだまだ若いものには負けないと胸を大胆に露出させた普段着で過ごしている美魔女さんたち。


 「おおおおうユルゲン、でっかくなったなぁ!雄っぱい勝負するかぁ!?」


 筋肉モリモリマッチョの雄っぱいたちまでも。






 夢にまで見た世界が、そこにはあった。

  





 「FOOOOOOOOOO!」


 おっぱいの楽園だっ!!!

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