第13話 おっぱいグッズの正体
「暗殺とは大きゅうでたのぉ、ユルゲン」
「つーかそんぐらいしないとジリ貧っすからね」
圧倒的な規模を誇るエルデネト帝国を、海戦が苦手という弱点を生かせるリューゲン島で防ぐ。
親父の代からの戦略だが、最近はエルデネトも造船技術を強化していると報告があがっているため、いずれは通用しなくなるだろう。
…一応艦隊もろとも敵を吹っ飛ばす大技
例えるなら、1日3回戦連続でイケちゃうぐらいビンビンじゃないと駄目って思ってくれい。
そういうのって、体力もそうだけど精神面もだいぶイケイケじゃないと無理だろ?
それに、1度使えば敵も馬鹿じゃないから対策される。
イケイケのねーちゃん送り込んで暗殺を図るとかさ。
そのためー、
ーエルデネトを統べるものは、重要な戦いでは必ず陣頭で指揮を取る。
初代皇帝から代々受け継がれてきた伝統を利用するしかない。
奴らのガチ侵攻を1度退ければ、皇帝は必ず姿を表すだろう。
そこを暗殺する。
使えるなら究極奥義
そうすりゃ、多民族から構成されるエルデネト帝国はガタガタ。
しばらくは反乱があいついでザールラントどころじゃねえって寸法よ。
「とまあそんな感じなんですが…」
「分かっておる。トリーアの貿易の半分はパンゲア大陸、すなわちエルデネトじゃ。わっちの意見を無視できぬと」
「初手から小競り合い演じていうのもなんですが、そういう感じです」
「…にしししし。ユルゲンよ、トリーア商人を舐めるでない」
おっぱい大好き貧乳のじゃロリ娘の眼がきらりと輝く。
「このようなことは数年前から想定しておった。それゆえ、規模はまだ小さいが、他の商会と協力して、エルデネト帝国とは別の通商路も開拓しておる。先日は遠く離れたエウロペにまで派遣したのじゃぞ!」
えっへん!と胸を張り、
「流石、そこら辺はやり手ってわけだ」
「1つの取引先が死んだだけで立ち行かなくなる商会なぞ半人前じゃ!わっちも独自の商品の注文を取り付けておる」
「ほほう。それはどんな?」
「見ておれ!
部屋の隅へすたすたと歩いていくと、何かが白い布で覆われている。
ロリ狐は、布を勢いよくめくった。
「これは…おっぱいコレクション!?」
「胸像、タコの触手が女性の胸に絡みつく絵画、小説、豊胸薬…色々ありますね」
「おっぱいはどんな男も大好きな世界共通!ザールランは元々はるか東方にあるエキゾチックな国として有名じゃなからの、淫靡なグッズも飛ぶように売れるのじゃ!」
そうそう、この狐は商売のかたわら、おっぱいグッズを作って販売するのが趣味だったな。
親父が購入していたのを見てもらったが、なかなかのもんだったぜ。
しかし、このおっぱいの形とハリ、どこかで見たことがあるような…?
「にしししし!エミーリアのおっぱいはどこの世界でもバカウケじゃのう!」
「ん…?」
アデリナはこともなげに言った。
「このグッズは5年前、エミーリアのおっぱいを採寸、描画したものがもとになっておるのじゃ!!!」
「人の乳母使って何してんだテメー!?」
「すでに全世界へとグッズは飛び立ったのじゃ!」
「あ、アデリナさま!そのことはユルゲンには言わないでください。恥ずかしい…です」
「良いではないか良いではないかぁ。あの時はお主もノリノリだったじゃろう?」
「そ、それは…エルデネト帝国との戦いに必要とのことだったので」
「間違ってはいないのじゃ!」
ーあぁ…アデリナさま。もっと優しく採寸を…んんっ!
ーこ、これ動くでない。ユルゲンが起きたらどうする。
ーはやく、終わらせてくだーうううううんっ!
ーきゃああああ!?急に何か出てきたのじゃ!あ、でもなんだか懐かしい味なのじゃ…
そういや5年前、オレが寝てる時にこそこそしてたなこの2人。
油断ならない狐娘だ。
「とにかく、トーリアのことは心配要らぬのじゃ!自由と商業の街としてエルデネト帝国に配慮することはない!
「分かった!リューゲン島さえ占領されなければトーリアに被害が及ぶことはない!やってやるぜ!」
リューゲン島に行く前解決したかった問題の1つが解決した。
あとはー、
【南方艦隊】がどう動くかだな。
****
リューゲン島ひいてはトリーアの街を守るのに必要な【南方艦隊】だが、オレもその司令官とは久しく会ってない。
暇さえあれば海に出てるし、手紙も読んでくれてるかどうか分からんしな。
話をつけないことには動きがようがない。
つーわけで、夜になるまで【アデリナ商館】まで待機し、動き出す。
目標は【南方艦隊】の停泊地だ。
周囲には出航を断念したエルデネト帝国の船からオーク兵が派遣され、目を光らせている。
さすがにどんぱちすることはねえだろうが、急がねえとな。
「準備はいいか?」
「はい」
「ええで!」
背後にいる2人に声をかけ、オレは新たなスキルを発動する。
「ーーーー
体の周囲に特殊な大気を纏い、姿を変えることができるスキルだ。
姿を変えると言うより、敵の視野を惑わせるって方が近いか。
もちろん、ここでは透明一択。
「行くぞ」
抜き足差し足忍び足で歩きながら、船へと向かうのであった。
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