「シンデレラ」or「白雪姫」+「ムーミン」です

(2022年7月追記:応援コメント受付が、作者都合により同月を以て停止されました 応答している余裕がない為と思われます)
中世風世界が舞台のハイファンタジーだけど、剣も魔法もドラゴンも、もちろん戦闘シーンさえ出て来ない、落ち着いて読める「空気系」「日常系」の作品です。たまにハラハラドキドキあり。アンデルセン童話や、妖かし・奇跡抜きグリム童話のような趣もあります。

冒頭は実の父と継母に捨てられ、成人になったと同時に奉公に出ることになった、ヒロインで没落貴族の子爵令嬢と、雇い主で、救国の英雄として知られる強面剛腕、でも権力にも爵位にも興味ない現場主義な将軍とのめぐり逢い。シンデレラ(いや、白雪姫?)の変形。
以降は「たのしいムーミン一家」の人間版です。
家事のベテランで甲斐甲斐しく自分の世話を焼いてくれて貴族のマナーまで身に着けたスーパーレディ、それでいて心優しい可愛いヒロインに、不器用ながら愛情を注ぎ、いつしか惹かれていく将軍。
自分を可愛がり守ってくれて紳士で頼れる将軍に想いを寄せながらも、ハウスキーパーそしてメイドとしての一線だけはどうしても越えられないヒロイン。
誰をも贔屓する事なく優しく接し自分達の緩衝役となるヒロインを、慕い見守るベテラン家令と少女庭師。
ヒロインの顔を見たいが為に、TPO関係なく時々屋敷に突っ込んで来る将軍副官の存在が、ストーリー中のいいスパイスになっています。これに渋い顔をする将軍と、いつも笑顔で対応するヒロインの対比。
また登場人物それぞれが自分の役割・守備範囲を心得、助言を求められない限り他人に余計な口出しをしないのもいい。

ヒロインと将軍の関係がどう動くか見逃せません(第237話時点)。

書籍版は第62話と旅行の計画を立てる話(「海へ」のプロローグに相当する部分。特別書き下ろし)までで完結しています。

改めて。名作です。

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