マーダーマーダー

バブみ道日丿宮組

お題:マイナーな許し 制限時間:15分

マーダーマーダー

 人の味を知った獣は始末されるのがこの世の摂理である。

 だが、人が人の味を知っても始末されるわけじゃない。何かしらの理由で見逃され罪に囚われない人がいる。

 それはある種のマーダーライセンス。

 本来許されない共食いを許された存在だ。

「こっちは終わりました」

「そうか。こちらも終えた」

 私たちはそんな逃れた共食い野郎を狩る存在。マーダーマーダーという身分。当然ながら私たちも許される存在ではない。

 追うものと追われるもの。

 その両方をこなしてる。

「ちゃんと頭は潰したか?」

「はい。復活の兆しはないです」

「なら安心だ」

 最近の人は人であることを忘れ、化け物じみてる。

 手足がなくれれば再生するし、瞳をくり抜けば新しい眼が生えてくる。

 だがそれはある部分は除いてだ。

 頭だけは完全に破壊してしまうと復活できない。それが脳なのか、何かが埋め込まれてるのが壊れてたからなのかはわからない。

 始末する人の情報を持ったところでいいところはないからこれでいいのだ。

 殺される存在は殺されて、殺されない存在は殺されない。

 それでいい。

「今週のノルマは達成できましたね」

「あぁ久しぶりにいい食事ができそうだ」

 最後に死体へ爆弾を設置する。

「ちゃんと仕掛けたよな?」

「はい、不発しない限りは大丈夫かと思います」

 なら行こう。

 建物から十分に離れた場所で爆弾のスイッチを押す。

 数秒もたたずに爆発音と衝撃波の一部が押し寄せる。

「毎回爆発させる必要はないと思うのですが」

「殺したと思ったものが蘇ってきたら怖いだろう?」

 そうですねと従者は頷いた。

 復活したら怖いのも当然あるのだが、自分がやってることを再確認したくないがための手段でしかない。

 それで本当に自意識が変わるのであれば……良かったのだけど、

「どうしましたか?」

「なんでもない」

 土煙を後ろに私たちは隠れ家へと戻った。

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マーダーマーダー バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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