がっこう

安良巻祐介

 

 薄青く褪せた看板が入り口に少しかしいだまま掛かっている広場で、子供らが輪になって、黙ったまま座っている。

 その顔のどれもが、目の前を見ていながら何も見えていないような顔で、ただ果実のように並んでいる。

 誰かがここにそういう計算式を作って、それに沿った決まりを作った。その結果として、これらの子が集まってきた。

 式は途中で途切れて、決まりも半端なところで書き止められてしまっているから、この子供たちはいつまでも帰り道に戻れない。家に帰れない。

 昭和の半ばくらいから、ずっと、こうしている。

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がっこう 安良巻祐介 @aramaki88

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