蟲の終焉①
賢者達は縛られたふりをしているがすぐにロープは解くことはできるようになっていた。
いつでも攻撃の準備はできているが攻撃の指示がなかなか出されないのでソネは少し苛立っていた。
フリアがなかなかグレンを攻撃しないことにいらだっているのはサクも同じだった。
二人とも蟲にはひどい過去の出来事による怒りもある。
だがこの計画はフリアが全ての指示をすることになっている。
だから今は黙って従っている。
グレンは数名の新しい元セグリアの兵士であろう従者を三名連れて戻ってきた。
覆面をしているその者たちは誰かはわからなかった。
それとグレンの手には虫の入った籠はなく、それ以外に直接的に蟲は持っていないように見えた。
グレンを煽るようにフリアは質問した。
「どうした俺たちに憑かす蟲を忘れたのか?
それともご自慢の蟲ももうネタ切れか?」
「残念だったな、逆だよ今はこの建物の中にほぼ全ての蟲を集めているのだ。
そして蟲は籠ではなくて人に寄生させておる。
なぜなら最近、蟲が駆逐されているという話があるので蟲達を保護しているのだよ。
その上で駆逐されている原因の究明と蟲の繁殖をしているんだよ。
そう簡単にはネタ切れにはならんよ」
(なるほど、それで我々が必死に探しても蟲に寄生された者がほとんど探せなかったわけだな・・・)
「ふふふ、そうそうお前たちに憑かせる蟲だったな?
蟲ならこの男たちの中にいる。
つまりお仲間の中にいるんだぞ・・・」
その話は本当に悲しいことだった。
仲間・・・その言葉はフレアと賢者たちの心を締め付けた。
仲間だ、だから悲しい、だから悔しい。
姿は確かにセグリアの者、だがすでに蟲に何もかも奪われている。
もちろん命も・・・
だから違う、あれは敵だ、そう違うんだ、敵のはずだ。
でも蟲は彼らの言葉までも奪い俺たちを欺いてくる・・・
(やめろ!!)
もう、そんな戦いはもう止めてくれ。
そうだこれで終わりにするんだ。
「蟲がいるのであれば仲間ではない・・・
本人もわかってくれるだろう。
私たちに寄生などさせはしない、蟲が現れればすぐに退治してやる」
「おお、こわいことだな。
宿主も一緒に始末するのか?お前達には人の情けはないのか?
もっとも捉えられたお前たちに何ができる。
ははははは」
「それは心配いらない、もはや覚悟は決まっている。
大勢の民のために俺たちは、人の心も捨てた。
蟲を倒すには、それしかない、我々のやり場のない悔しさや恨みはお前達に向けられると思いしれ」
「残念だったな縛られた身では何もできないだろう・・・
そうだ面白いことをしてやろう」
そういうとグレンは三人の一人の兵士を連れてきて覆面をとった。
「アルツ!!、まさかお前が・・・」
それは患者みんなが知っている顔だった。
その後も別の三人の覆面を取ると見知った顔であった。
大きな、なしとげねばならないことへの決意。
それが賢者である自分たちに課せられた使命であり贖罪なのだ。
「どうだ、お前にこいつと戦うチャンスを与えてやろう。
退治できると言うのであれば、蟲が退治される方法も知りたいしな・・・
お前達がどう戦うのか見せてもらうか・・・
それとお前たちも蟲がどう寄生者を変えているのか知りたいだろう」
ザガールのサイはその言葉に反論する。
「いけません、一気に火炎魔法で燃やされれば蟲はひとたまりもありません」
「そうか知らんのだな。
そんなことはないのだよ。
前からそうだが蟲は宿主を渡り歩くのだ。
それにこの男の蟲はメンテナンスが終わっておる
もしこの男が倒されれば、蟲はこの賢者の中の誰かに寄生しなおす
そうだ、この蟲の魔石は前の魔石より強力な魔石、前にも増して即時に寄生し直すのだよ
蟲が倒される隙は与えんのだよ」
「そうか魔石か・・・
蟲に魔石を使い、空間魔法が使えるようにしたということだな・・・
蟲はこの拠点に全て居る、そして転移の秘密は魔石という、これで全てがわかった」
勝ち誇ったように笑っていたグレンは賢者の捕縛を解くように指示した。
「どうだ、俺は優しいだろう、そこの三人には蟲が寄生しているんだ。
どうだ答え合わせしてやっているんだ、優しいだろう。
もっとも体のどこに蟲がいるかは分からんだろうけどな。
さあ、お前たちの蟲への対処方法をみせるがいい」
残念ながら、紅蓮の連れてきた三人には蟲が本当に寄生していた。
捕縛のロープが外されるとすぐにフリアは蟲の存在を確認し始めた。
もう賢者は恐れない、蟲の居場所は察知できる。
賢者たち全員が捕縛から解放されると賢者は敵である三人・・いや三匹の蟲を取り囲み攻撃体制になった。
「セグリアに勝利を!!」
そうフリアが叫び、他の賢者が声を合わせると反撃が始まる。
召喚失敗者、妖女を愛して生きていく。 茶猫 @teacat
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