ゴーレム・スーツだと?②
走るフェスリーに騎乗し考え事をするロザリア王女。
「サンクスも戦っている。でも私はフェスリーに乗っているだけ、ごめんなさいフェスリー、貴方に頼りっきりですね・・・」
考えている間に戦闘を続けているラミアに近づいてきた。
「どうした、ゴーレムを早く出すんだ」
急かすクレストだがゴーレムが出現したときに隙を見て逃げる場所を探す。
(この際ベルトガを放り出して逃げるのが良いかもしなれないな)
少しするとベルドガはゴーレムを出現させる。
(ははは、急かされたお陰でゴーレム術式の構築記録ができたわい)
ベルトガはすぐにゴーレムに命令をする。
「ゴーレムよその女を、倒すのだ」
ゴーレムが動き出したことを確認するとクレストが大きな声で叫んだ。
「ベルトガ別々の方向に逃げるんだ」
その声によりベルトガはクレストと違う方向に逃げ始めた。
「どうだゴーレムの相手をしている間に、二手に逃げた我々を追うことは出来まい」
だがラミアはゴーレムを簡単に真っ二つにすると、サンダーボードで二人を追い、そして同じ方向に詰めた。
「なぜだ?!そんなはずは無い、こんな簡単に捕まるなんて・・・」
クレストの疑問に答えるラミア。
「だってゴーレムって動きが遅いのよ。それに壊すの簡単。いくらゴーレムの無限修復と言っても、言うほど早く修復しないから、その間にあなた達を捕まえることができるのよ、お分かりかな?」
ゴーレムが襲ってきても全く動じず槍の穂先だけで真っ二つにするラミア、圧倒的とはこのことを言うのだろう。
「やはり逃げられんか、ならば最後の手段だな・・・」
クレストは何かを考え始めたようだった。
その様子を離れた場所から見て既に大勢は決まっているのだと思い安心したロザリアが少しすると到着し声を掛けた。
「ラミア様、遅くなりました」
その顔を見て驚いたクレストは呟いた。
「ロザリア王女なのか!?・・・乗ってるのはフォグレス、なんという大きさのフォグレスなのだ」
ラミアはロザリアを見ると、飛んでもないことをひとこと言い放った。
「ロザリア、後は任せるわ。じゃぁ、私は休んでいるからね」
「えぇっ?私にですか」
「そう貴方に任せるわ」
その間に無生物であるにも関わらずラミアには敵わないと考えたゴーレムは、フェスリーに襲ってくるがフェスリーが巧みに避ける、その後ラミアが槍で再び真っ二つにする。
ロザリアは真剣な顔で言われたことの意味を考えていた」
「ラミア様は私に覚悟が足りないことを見抜いている。そして私に足りないものを補わせようとしている。私は何を怖がっているのかしら?私のすべきことを為すだけなのに情けないわ」
クレストは追い込まれながらも逃げる方法を考えていたのだが、ロザリア王女が現れ覚悟した。
「そうか、あの女はロザリア王女に仇を取らせるために俺たちを殺さず生かしていたのか。ふざけやがってあんな小娘にやられる俺たちではないが、最後はあの女が手伝って止めを刺すつもりなのだろう。せめてロザリア王女を返り討ちにしてやりたい。やはり最後の手段だ
クレストとベルトガは一緒に術式を構築し始める。
簡単な詠唱をし始めるとゴーレムが静かになり、詠唱が終わるとクレストが叫ぶ。
「チェンジ魔道ゴーレム、ベアラ!!」
その様子を見てあきれているラミア
「本当にいろいろと考えるものね」
案外ラミアは呑気だった。
◆ ◆
目にも止まらない速さでサムリとミザカに襲い掛かるゲバラとクルーラ。
だがその速度に追いつく者がいた。
「俺を忘れているだろう」
サンクスは身体高速化でゲバラとクルーラに反撃を始めた。
「所詮二対一なのだ、お前には不利だぞ」
だがそこへダバハを呼んだグレスがゲバラを殴ろうと追いついてくる。
「ダバハで追いつくとはな、だがお前など恐れはしないぞ。近接攻撃しか能が無いのだからな」
ゲバラは魔法でグレスを襲った、だがサンクスの防御魔法でグレスには当たらず、逆にグレスの剣がゲバラの腕にへ刺さった。
「グァッ」
ゲバラが倒され動きが止まるとそこにサムリが走っていく。
「クルーラ、すぐにゴーレムを出すんだ!!」
ゲバラは治療魔法で傷を癒しながらクルーラに指示を出した。
やがてクルーラの詠唱が終わりゴーレムが現れた。
「サムリ、ミザカ、ゴーレムは緩慢だからダバハを呼んで機動力を最大限に使うんだ」
「「はい!!」」
二人は言われた通りダバハを呼ぶ。
ミザカのダバハはイグラのダバハを借り受けたものだ。
そしてゴーレムに対しサムリとミザカが応戦を開始した。
「やはりゴーレムは力が強い、大丈夫かミザカ?」
「大丈夫です、イグラ様のダバハは誰のダバハより機動力があります。サムリ様こそ無理をなさらないで下さい」
「サンクス君、ゲバラは俺に任せてくれ、ゲバラには母のことで借りがあるからな」
そう言うと母マグリに関わる因縁があるというグレスはゲバラの相手を始めた。
「グレス、お前が俺の相手か?先ほどのは油断だ。やっと『
ゲバラの魔法攻撃が激しさを増したが、それでもサンクスの防御により平気だった。
グレスは剣を抜きゲバラに襲い掛かっていく。
クルーラの相手をしているサンクス。
「小僧、お前が死ねばザガールの者など簡単に仕留められる。まずはお前を始末してやる」
クルーラの攻撃がサンクスに集中し始めた、だが攻撃は何の役にも立たなかった。
「残念だったな、ジェイの結界を敗れるものか!!」
サンクスはクルーラに二本の長尺の棒で応戦しながらサムリ、ミザカ、そしてグレスを防御していた。
グレスは考えていた、それは自分以外を守りながら戦うサンクスのこと。
控えめに考えても相当な無理をしているだろう、そう考えたグレスはサンクスに叫んだ。
「サンクス君、離れている俺は良い後の二人に集中してくれ無理をしないでくれ」
「そんなことをしたらグレスさんが・・・・」
サンクスの心配する言葉を聞いてはいるが、グレスは考えていた。
(そうだな、当たり前だな・・・そう言われるよな・・・
でも何かが分かってきたような気がする
そうだ奴らのエレメントを感じるほどに何か別のことが分かってくる。
そうだ今まで俺たちが怒りのパワーだと思っていたもの
---それは魔力と融合した何か。
そしてこの防御力、俺は変身したから防御が出来ている訳ではないようだ!!)
「私なら大丈夫だ、サンクス君」
グレスはサンクスに答えると、自分の考えを信じることにした。
そして変身を解いた。
「馬鹿め、ついに力が切れたか、止めだ」
ゲバラの強力な火炎魔法がグレスを直撃した。
「グレス様!!」
ミザカの叫び声が響いた。
ドドドーーン
響く爆発音。
---だが、爆炎の炎の中にグレスは一人立っていた。
「なに!!、魔法攻撃を自分で遮ることが出来ただと?」
それを出来た本人も驚いていた。
(出来たのか。そうさこれが魔法なんだ、
その時ゲバラに覆いかぶさる別の
「我妻マグリの仇、ゲバラ覚悟しろ」
「貴様、イグラか!!」
「そうかイグラか、だがお前たちは馬鹿だな。これで我々の勝ちだな」
そう言い放つとクルーラに向かって命令した。
「クルーラ、
簡単な詠唱をし始めるとゴーレムが静かになり、詠唱が終わるとゲバラが叫んだ。
「チェンジ魔道ゴーレム、ライオネス!!」
◆ ◆
ゴーレムは恰好が良く俺が好きだったファンタジー世界に出てくる主役ロボであるガリソンに似ていた。
その力は強く捕まればひとたまりもないだろう。
だが、一度戦って経験済だからだろうが、案外簡単に対応できた。
このゴーレムは魔法は使えないようで、動きは身体高速化した俺から見れば遅く、結構簡単に逃げられた。
そしてゴーレムの張っている結界もラミアにもらった剣で簡単に切れた。
もちろんゴーレムだ簡単に再生する。
多分精霊石を切ってしまえば良いのだろうが、カッコ良いのにもったいない気分だった。
捕まえてカプセル・ゴーレムみたいなものが出来たら面白いなとか考えた。
ということで今はバグラを追い込んでいる、たぶん将を打てばこの戦いは終わるだろう。
バグラは悔しそうに何か言っている。
「ゴーレムを怖がらないとは・・・」
ゴーレムが恐ろしいというのは身体高速があるレベル以下の者たちだろう。
俺たちはどうやらこの世界では相当なレベルの高速戦闘ができるらしく全くゴーレムは問題にならなかった。
今バグラさんは焦っている、なぜならバグラさんの最大魔法も俺に効かなかったからだ。
「ギアナ魔法攻撃をするんだ・・・」
バグラさんは相当必死な形相でそう命令していた。
逃げるバグラの目の前に出現して降伏を迫る。
「チェックメイトだね、降伏しろよ」
「馬鹿にするな、そのようなことを言ったことを後悔させてやる。ギアナ
詠唱をし始めるバグラとギアナ、そしておとなしくなるゴーレム。
詠唱が済むと、いきなりバグラが叫んだ。
「チェンジ魔道ゴーレム、イーグレット!!」
俺は不謹慎だとは思ったが、なんか新型ロボット、違ったゴーレムでも出てくるのかとワクワクしていた。
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