カプセル少女
バブみ道日丿宮組
お題:隠された失踪 制限時間:15分
カプセル少女
ある地下施設の廊下をあるき始めると、
ーーどうしてきたの?
俺の頭にテレパスが流れてきた。
「いなくなったから」
ーーなぜ僕に固執するの?
「今は相棒だから」
ーー一回死んでみたらわかると思う。
「そうだな、君の辛さはそうしなきゃわからないと思う」
ーーならどうしてくるの?
「わからないことをわからないでいてられないんだ」
ーーわからない。わからない?
「そこは実際に会ってから話すよ。テレパスも辛いだけでしょ?」
ーーそんなことない。いつもやってることでしょ?
「今回のトレジャーはなかなか難しいかもしれない」
ーー悪意あるものに反応する特別製にした。
「通りで何も起こらないわけだ」
ところどころ見える赤はトラップに引っかかりなくなるまでにはいかないが大怪我をした証。こうはなりたくないものだ。
まっどこか悪意があるのかっていう基準点はわからないけど。
ーーねぇ本当に会うの?
「そのためにきたよ。入り口も開けてくれたからね」
ーーあそこはカードキーさえあればあけられる。
「変更してなかったよね?」
ーーあっ……違うの。
違わないんだろうな。彼女のうっかりミス。今に始まったものじゃないし、驚かない。
ーー来ちゃったんだね。
目の前にあるのは大きな扉。ドアノブなんてものは存在しない。あけるには専用のデバイス、あるいは主の許可が必要だ。
俺はデバイスを持ってない。なら、開けてもらうしかない。
「うん、開けてくれないかな」
ーー隠れてるのに?
「うん、全部見たい」
ーーえっち。
電子音が何度かすると、扉が何度もスライドして開いた。
部屋に入ると聞き慣れた電子音が耳に入ってくる。それに呼吸の音も少し聞こえる。
ーーこんにちわ。
「あぁ、相変わらず大きいな」
ーー胸ばっかみないでよ。
彼女は水槽カプセルの中にいた。呼吸器を取り付けられており、他の医療用器具がつけられてる。ただ服は来ておらず全裸だ。
大きいというのは彼女の胸。何度見ても変わらない大きさ。触ってみたくも突いてみたくもある。だが、彼女と触れることはできない。
彼女が生きてられるのはカプセルのだけでそれ以外では生きてはいられない。
「せっかく来たし面白いお話を聞かせてあげるよ」
そうして僕は生きてきたーーあるいはこれからになるかもしれない話を聞かせはじめた。
カプセル少女 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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