一夏のアルマゲドン

 荒れ狂う夏が破壊者を降らせた。商業施設は化け物たちによって踏みつぶされ、学校、図書館、劇場等はすべて宇宙人たちに占拠されてしまった。地上にも地下にも安全と言える場所はどこにもなかった。


「もしかしてあそこなら……」


 微かな望みではあったがあきらめる前に試す価値はある。私たちは40人1組となり揃いのスーツで身を固めた。団長を先頭に立たせ『選手団』の旗を持たせた。

 迷いや自信のない素振りは疑いを招く。私たちは人類の代表であるかのように堂々と胸を張りゲートへと歩を進めた。スプレーで手を除菌し体温をクリアするとすんなりと受け入れられた。(何だこんなものか)それぞれに競技種目まで言えるように準備をしていたが、身分証の提示さえ必要なかった。


「どうせなら何か美味いものでも食べれたらいいな」


 安全な村の中に入って、私たちは急に楽観的な気分になった。

 人類を打ち負かすものは、ここにはいない。

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