伝えたい想いがあるんだ〜永遠と舞雪の物語〜
愛花
第1話
北風が電線を揺らしユラユラと揺れていた
僕は小さな箱の中で身体を丸くして寒さに震えていた
何処か遠くから聴こえてくる子供の声
とても明るく幸せそうな、、、
その声が近付いて来た
『お母さん今日学校でね、、、』
『そう、楽しそうで良いわね』
お母さん、、、お母さんって何だろう、、、
気が付いたら1人ぼっちだった僕はお母さんって存在がわからない
そんな事を考えながらふと顔を上げると女の子が僕の前にいた
『犬さん、どうしてこんな所にいるの?寒くない?』
女の子はそう言いながら僕に手を差し出した
小さくて綺麗な可愛い手
その手が僕の身体を撫でてくれた
北風で冷えた僕の身体に優しい温もりが伝わってきて
僕は思わず鳴いた
女の子はびっくりしたのか手を離してしまった
僕は謝ろうと思って立ち上がって尻尾を振ったんだ
でも足に力が入らなくて
僕はすぐに横に倒れてしまった
『お母さん、この子犬さん連れて帰っても良い?』
女の子がお母さん?って人にそう言っていた
『子犬を連れて帰ってお世話が出来るの?ちゃんと責任をもってお世話しないといけないのよ?』
お母さんって人はそう女の子に話していた
『うん!ちゃんとお世話します!だからお家に連れて帰ってあげて良い?』
女の子は真剣な眼差しでお母さんって人にそう答えていた
『それなら連れて帰ってあげましょう。でもお父さんにもちゃんとお願いしなさいね』
『ありがとう!!』
そう言ってとても明るい笑顔で女の子は僕を抱き上げてくれた
暖かくて優しい温もりが僕の冷たい身体に伝わってきた
『犬さん、まいのお家に一緒に行こうね』
そう笑顔で僕に言っていた
お家?一緒?
なんの事だかわからない
でも僕は女の子の腕の中でとても幸せだったんだ、、、
だから、、、僕は女の子の手をペロペロって舐めた
『あははぁ〜、くすぐったい』
そう言って女の子は僕の頭を撫でてくれた
伝えたい想いがあるんだ〜永遠と舞雪の物語〜 愛花 @AikaL21
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