第184話

「それにしても正弘くんが血のだしすぎで意識を失ったときは死ぬかと思ったんだからね」


恐らくヤンデレを発動してるよな。俺が死んでたら美海も死ぬことを選んでいたかもしれない。それだけは嫌だ。美海を俺は幸せにして、長生きしてほしい。だがかなえのことはどうするか。正直好きな気持ちもまだある。思い付いたがこれは人としていい決断ではない。



「あら起きたのね」


ドアを開けて、かなえが入ってきた。頬笑みを浮かべながら、相変わらずの綺麗さだな。さすがモデルだ。まぁ美海もいつでもじゃないが、美しい笑みを浮かべることもある。びしょうじょれべるだったらみなみの美少女レベルだったら美海の方が上だが。モデルであるかなえは見せ方を分かっている。だから自然とかなえの方が上に感じることも多くない。まぁ客観的に見てだが、個人的には美海の笑みの方が好きだ。やんでれは怖いけど。


「驚かないんだな」


「起きると信じていたもの。こんなところで死ぬような玉じゃないでしょ。まぁ仮に死んでたら私も後を追うわ」


美海とにたような考えでももっているのかね。死ぬって。まぁかなえはヤンデレじゃないどころか俺がだれといても嫉妬をしないという、すごい自信を持っているが。


「後は追うなよ。死んだら俺が悲しくなる。それとのみものがほしいんだご何かあるか?」


「はいこれマックスコーヒよ」


さすがだな俺の今一番飲みたいものを分かってるだなんて。やっぱ相性はかなえの方がいいんだろう。だが俺は記憶を思い出したしたことで美海を好きなのを思い出した。しかも美海は俺を好きだと言った。こんなに嬉しいことはない。たがあの考えは言えない。


「それで記憶を思い出したけど、どっちを選ぶのかしら?」


「どちらの思いも偽物じゃない。それと俺もどっちも好きなんだ。選べない」


あんな最低なことをするくらいならどっちも振るのもありか。そうすれば俺みたいな最低のことを考えている奴よりいい奴に出会うだろう。恐らくもうこんなにすきになることはないと思うが。原点回帰でお金持ちと結婚して専業主夫でも目指すか。


「振ろうとしてるわね。どっちも選べないならどっちも選べばいいじゃない。私は1人増えようが気にしないわ」


「だがそれはいいのか?男として俺は最低なことだぞ二股なんて。美海だって嫌だろう」


「確かに織田さんと一緒に付き合うのは嫉妬しちゃうかもしれないけど、振られるのはもっといやだよ。ふたりでいいから付き合って」


そこまで俺のことを好きでいてくれたのか。それなら俺も覚悟を決めよう。周りのどんなに反対されても最低だと罵られようとも二人を幸せにする。


「それじゃー二人とも付き合ってくれ」   


俺は頭を下げて両手を出した。すると美海が近寄ってきて泣きながら俺の手をつかみ嬉しそうに笑顔を見せた。ああ、俺はその笑顔が見たかったんだ。周りを幸せにして目を細めるこれ以上ないくらいの笑顔を。そしてかなえも手を両手でつかみ貴方は私が幸せにするわと言った。


そして美海は嬉しさのあまり抱きついて頬ずりをしてきた。猫みたいだな。俺は優しく美海の頭を撫でた。それにしても肌がすべすべだ。これか女子の肌か。なんか興奮するわ。


「やっと付き合えた。この日を待ちわびたよ」


目元にまだ涙を残しながら俺から離れると嬉しそうに言った。


「俺も美海と付き合える日を待ち望んでいた」


「私のこと忘れてないかしら?」


完全に忘れていた。美海と付き合えるのが嬉しすぎて。かなえとはもう既に付き合っているからそこまで興奮しなかった。まぁ好きなことに変わりはないんだが。憧れの人っていうより親友のようなもっと心のそこで信用している感じだ。


「忘れてた。かなえのことも好きだぞ」


「それは分かっているわよ」


そう言いながら綺麗に微笑んだ。俺はその微笑みに見とれていた。すると美海がハイライトオフになった。ヤンデレモードだな。なんかもう慣れてきたわ。付き合ったからかそのヤンデレも愛おしく感じる。怖さを感じない。これが好きってことか。


「ねぇー私は愛してないの?やっぱりまだ織田さんとのほうに心があるの?ねぇーオシエテ」


俺は立ち上がり美海の頭を撫でながら愛してるずっとなというと美海は顔を真っ赤にしてショーとした。声優の練習で身に付けたイケボがききすぎたか。美海は立ったまま気絶をしていた。やはり声優のイケボは破壊力あるってことだ。


「もう面会時間も終わるし、美海さんを起こしてくれないかしら」


「分かった。おーい起きろ。起きないとキスしちゃうぞ」


「え?キス?今すぐしてよ」 


「起きたみたいだな。面会時間終わりだから続きは明日な」


「むぅーキスしたかったのに。面会時間なんてなければいいのに」


「そんなことしたら俺が興奮して寝れないだろう」


隣で美海が無防備に寝てたらよこましかな考えでいたずらしちゃうぞ。襲っちゃう可能性まである。だって寝言で俺の名前いいそうだし。そんなことされたら肌を感じたくなっちゃうだろう。


「ふふ、私のことそんなに好きなんだね。安心したよ。一番の座は渡さないよかなえさん」


「私だって正弘くんに一番愛されたいわ。だから負けるわけにはいかないわね」


「私達いいライバルになりそうだね」


「貴方はヤンデレをどうにかした方がいいと思うけど」  


「これでいいんだよ。正弘くんの好きなキャラヤンデレもいるし」 


それは二次元だからな。現実は何をしでかすか、分からないから冷や汗を常にかいているぞ。まぁさすがに人をヤったりはしないだろうが。え?ヤらないよね。


「まぁいいわ。また明日会いましょう正弘くん」

 

「明日ね正弘くん」

 

「ああ、また明日会おう」

 

そして美海たちは病室を出た。まさか一年前までぼっちだった俺が二人美少女と付き合うことになるとはな。人生何が起こるかわからないものだ。これは主人公の幼馴染みを好きになって付き合うまでの物語だ。だが俺の物語はここから再び始まるのだ。そんな未来に想いを馳せながら静かにベットに横になった。そして久しぶりになんの憂いもなく寝た。


これで完結いたしました。今まで読んでくださりありがとうございます。毎日勉強しながら書いていたので時間かあまりなく投稿しない日もありましたが、無事完結できました。一応別のそして他の小説も連載中なのでそちらもお願いします。それではまた会いましょう。














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主人公の幼馴染みを好きになってしまった話 作家目指すもの @Ronisei

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