第183話
どうやって片付けよう。まずは下っ端であるあの男からにするか。霊力を両手にためる。術は人に危害を加えるものは陰陽法によって禁止去てるが。霊力を使うのは禁止されてない。つまり倍のダメージを与えることは可能ってことだ。
「さっきはたまたま油断したが、今度はそうはいかねーぞ」
男は俺を睨み付けている。親分は余裕そうな表情を浮かべている。今だけだぞ、そんな表情を浮かべられているのは。俺はフゥーと息を吐き、構えた。
「こっちから行かせてもらうぞ」
加速術式を唱えて、一気に加速する。そして頬を思いっきり殴ろうとしたが、頭動かして避けられる。加速してるのに避けられるのか、動体視力がいいんだな。
「フッその程度か。陰陽師も大したことないぜ。今度はこっちから行くぜ」
そう言って殴りかかってきたが、俺は霊力の動きを見て攻撃を予測する。右から首に狙っているな。俺は一歩を引いてよけた。左日も動きがあったのでそれも避ける。だが連続てパンチを浴びせてくるからなかなか攻撃ができない。カウター狙うにも動きが早いな。格闘技でもやていたのか。だが当たらないことにイライラしたのか、大振りになった。今だ!俺は一発で仕留めるため霊気を手に貯めまくって渾身のストレートを浴びせる。すると脳震盪が起きたのか、男は倒れた。
「後はあんただけだな」
「こいつがどうなってもいいのか」
そう言いながら美海に銃口を突きつける。くそやっぱり銃弾を持っていたか。どうする?美海さんが連れてかれてしまう。かとゆって動いたら美海が殺られる。
「ふっこのまま売り飛ばさせてもらう」
そう言ってもうひとつの銃を取り出し俺に向かって発砲したが霊気を読んでなんとか新添えからはずして幻覚の術を使った。
「くっ痛いな」
「嘘、正弘くんが死んだ。うそうそうそうそ」
美海が虚ろな目でぶつぶつと言った。まさか俺が死んだと思ったらあんなにショックを受けるとは。まぁ俺も美海死んだらショックを受けるだろう。早く安心させるためにこいつを倒すか。
「フハハハあいつは死んだ。さぁ俺といいことをしようか」
「マサヒロクンマサヒロカンマサヒロクン」
「壊れたか、まぁその方が従順で楽なんだが。このレベルの奴と殺れるの始めてた。だから楽しみだ」
下劣な笑みを浮かべ美海の胸を揉んだ。だが美海は反応せずひたすら俺の名前を涙をながしながら呼んでいる。痛みはまだあるが動けるようになった。そして俺は男を吹っ飛ばした。霊気を込めてな。
そして幻覚の術を解く。すると男はなんで生きているのかという表情をしていた。美海は俺の姿を見た瞬間涙を流しながら喜んでいた。
「正弘くん生きていたんだね。よかったぁー。もし死んでいたら私も自殺するところだったよ」
さっきの衝撃で銃を落としたらしく、男はそれを取りにこようとしたが俺が先にその銃を拾い遠くに投げた。鳩尾を押さえながらふらふら立ち上がった男はナイフを持って俺にと飛びかかってきた。
だが俺は心臓を狙ってきたことを予測し、俺はさしてくる場所をずらし、心臓の横に刺してきたが、痛みに負けず刺したまんまで、霊力を込めて渾身の一発を股間に当てた。すると悶絶するように倒れそのまま痛みで気絶した。
「ぐほ、痛いわ」
意識も朦朧とする。そのまで崩れ落ち、仰向けになった。はぁはぁこれが最善だとはいえ痛すぎるな。
「とり、あえず、警察に、電話してくれ」
「分かったよ正弘くん。だから死なないで。生きて一緒に生きよう」
「美海、愛してるぞ」
「私もだよ。すぐに応急処置をするからね」
俺は笑みを浮かべた。美海に被害がなくてよかった。救急車の音を聞きながら俺は意識を手放した。
「知らな、、、、いや知ってる天井か。一回入院してるし」
なんか手があったかいな。誰かが手を握っているのか?顔を横に向けると美海が気持ち良さそうに寝ていた。俺はなぜか頭撫でたくなり美海の頭を撫でた。怖かったよな。だがなにもなくてよかった。それよりここは京都の病院なのか?それとも千葉か?
「んー!正弘くん起きたんだね!よかった起きてくれて。一日寝てたんだよ」
「そんなに寝てたのか。まぁ銃で撃たれたし、しかもナイフも心臓付近にいったからな」
マジで痛かったわ。特にナイフ。グサッときたときは死ぬほど痛かったわ。それより脳のほうに異常はないのか。一応鈍器で頭を叩かれたんだが。
「あの後どうなったんだ?」
「私の携帯のGPSで場所を悟志くんが把握したらしくて急いで救急車と警察を呼んだらしいよ。だから出血多量になっていた正弘くんも集中治療室に入って助かったの。脳には異常はないらしいよ。それであの後牧村くんとヤクザは気絶してるところで逮捕されて今は刑務所の中だね。組織は崩壊したらしいよ」
あいつら当分出てこないといいんだが。逆恨みでもされてなにかやられたら困るからな。それより美海はずっとここにいたのか?せっかく京都に来たのに観光してないのか。
「美海はずっとここにいたのか?」
「うんそうだよ、後織田さんもずっといて、今はお昼を買いにいってるよ」
「そうか、それでここは京都の病院なのか?」
「うん。みんなが修学旅行してる間はここに入院するらしいね」
はぁーせっかくの修学旅行が、入院で終わるとは。また今度旅行で京都に行くか。お金は腐るほどあるし、一週間ぐらい滞在しよう。そう思いながら残りの入院生活をどう過ごそうか考えていた。
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