★NIHONGO小話☆ 「施行」の読み方

 2022年4月1日に、「プラスチック資源循環促進法」というものが施行しこうされましたね。

 テレビでもニュースになっており、アナウンサーは「施行しこう」と読み上げていましたが、「施行」には「しこう」という読み方のほかに「せこう」「しぎょう」「せぎょう」という読み方も存在します。

 しかし、多くの人は「しこう」と読むと思うのですが、どうしてこの読み方がメインになったのでしょうか。


 辞書を調べてみたところ『明鏡国語辞典 第三版』には「施行」は「しこう」の項目にも掲載がありましたが、「施工」は「せこう」としか読みません。

 しかし、『毎日ことば』によると、どちらの言葉も「しこう」「せこう」と読むことは誤った読み方ではないとのこと。ただ、音を聞いてどちらのことを言っているのか分かるように、メディアでは「施行」を「しこう」と読み、「施工」を「せこう」と読み分けているのだそうです。 


 一方で、役所や官庁など法律を扱うところでは、「執行」という言葉と区別するために、あえて「施行」を「せこう」と読むこともあります(『明鏡国語辞典 第三版』より)。

 また「施行」を「しぎょう」と読む場合は、『精選版日本国語大辞典』によると、幕府等の命令を実行する意味で使うときに使うとのこと。この点については今まであまり意識していませんでしたが、大河ドラマや時代劇では、こういう言葉遣いも気を付けていたりするのかもしれませんね。


【参考URL】

『毎日ことば』より

「施行」と「施工」は読み分ける人が多数派

https://mainichi-kotoba.jp/enq-393

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る