★NIHONGO小話☆ 「あたりめ」と「するめ」

 コンビニのおつまみコーナーに行くと、必ず置いてある「あたりめ」や「するめ」。皆さんは、この違いをご存知でしょうか。もしかすると、知っている方の方が多いでしょうか。でも、知らない方もいるかもしれないので、今日はその話をいたしますね。


 実は、この二つは中身は何ら変わらぬ同じものなのですが、言葉だけ変えてあるんです。

「あたりめ」は「するめ」のこと。「するめ」は「あたりめ」のこと。

 なんのこっちゃい、って感じですが、「あたりめ」は「するめ」の「忌み言葉」なんです。

 つまり「するめ(鯣)」の「する」が、お金や財産を「する(なくす)」を連想させるため、「当たる」と言い換えているだけなんです。

 と、偉そうに言っていますが、私も調べて初めて知りました。「あたりめ」のことを「あたるめ」って言ってたこともありますし……恥ずかしい(笑)


 ほかにも忌み言葉はあります。

「すり鉢」は「するめ」と同じ原理で「あたり鉢」、「梨」は「無し」に通じるので「ありの実」、「葦」は「悪」を避けて「良し」、「猿」は「去る」ですが去らないように「エテ公(得る)」……などなどです。

 結婚式や何かの会を「お開き」、正月に餅を割る「鏡開き」というのも同じですね。


 私たちの生活のなかに溶け込んだこれらは、明るい気持ちになれるように考えられた言葉なのだろうなと思います。

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