2月

★NIHONGO小話☆ 「を」の発音

「お」と「を」の使い分け。

 これは、現代人にとって「を」は助詞として、「お」はそれ以外という使い方がされていますが、昔はそんな風に分かれていませんでした。

 元々ひらがなは、今の五十音以外にも沢山ありました。しかし使い分けが大変だったということもあり、明治政府が「ひらがな一音につき、一字だけを標準とする」(『日本人の知らない日本語』より)と決めたんです。


 そのとき「お」と「を」は残ったのですが、昭和初期に「を」は廃止しようとなりました。

 しかし「を」を簡単に撤廃することができなかったので、助詞としての「を」は残して、あとは「お」に統一しようということになったんです。それも、暫定的な決定で将来的に撤廃する予定だったのですが、撤廃する機会がないまま今に至ります。


 ちなみに、「お」と「を」は奈良時代から存在していて、当時は「お」を「o(オ)」と発音し、「を」は「wo(ウォ)」と発音していました。それが鎌倉時代に、両方「wo(ウォ)」と発音するようになったのですが、使い分けに統一性がありませんでした。そこに一つのルールを決めたのが、藤原定家だったのですが、どうやら当時の京都弁で高い音を「を」としたようです。


 それから江戸時代になり、「o(オ)」に落ち着いたと言われています。どんな経緯があったのかは調べていないので分かりませんが、とりあえず「お」と「を」が存在していて良かったなと思います。

 もしなかったら、助詞かそうでないかを区別するのに苦労しそうなので(笑)

 

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