Column5 日本語は書くのが難しい言語
前回のColumnで、「日本語は読むのが簡単な言語」と書きましたが、「書く」となると、とーっても大変な言語なんですね。
まず、種類が沢山。
ひらがな、カタカナ、漢字、ローマ字、アラビア数字。そういえば、「ローマ字も日本語なんですか?」という問いを寄せて下さった方がいらっしゃったのですが、実は日本語の文字として含まれています。アラビア数字が含まれているのも、日本語の文を書く上で必要とされているからなのかもしれません。(『日本人の知らない日本語3』を参照)
ちなみにローマ字には「訓令式」「ヘボン式」「日本式」の3種類があり、同じ表記をする音もあるのですが、違うところもあります。
例えば訓練式では「し」を「si」と表記しますが、ヘボン式では「shi」と表します。駅名はヘボン式を取っていることが多いようです。
しかしパスポートの名前は、ヘボン式だったり訓令式だったりするようで……。「佐藤」さんという苗字がありますよね。それが「SATO」の人もいれば、「SATOH」の人もいらっしゃるそうです。(この情報は10年くらい前のものなので、今は違うかもしれませんのでご注意ください)
このように日本の中には3種類のローマ字があるため、もしかすると旅行できた外国人の方の中には困惑される方もいらっしゃるかもしれません。
日本語を習う外国人は沢山いらっしゃるようですが、アジア圏の方々は意外にも漢字に苦労されることがあるようです。
中国では漢字を簡単にした「
ベトナムでは「チュノム」という漢字が使われていたそうですが、1945年に公用文字がローマ字になってしまったため、漢字を覚えるのに苦労されるようです。
そういえば以前に、養老孟子さんの著書を読んだのですが、その中にフランス人に日本語の説明(漢字の音訓読みについて)をしたことについて書かれていたものがありました。そしたらそのフランス人の方は、日本語のことを「悪魔のコトバだ」と仰ったそうで(笑)
文字の種類が沢山あるというのもそうなんですけど、漢字の音訓読みに困る方がいるようなんですね。
例えば「一重」と書くと「ひとえ」と読むとか。日本人だからこそ「一」を「いち」と読み、「重」を「かさ(ねる)」「じゅう」と生活の中で使われてきたので感覚的に分かりますが、外国の方にとっては中々難しいところですよね。
井上ひさしさんの言葉で印象に残っているものがあるんですけど、「どの言語もほかの言語よりも難しいところがあって、簡単なところがあるので、それを合わせたら難しさは同じくらいなのではないかな」と仰っていました。確かに、それはあるかもしれないなと私も思います。日本語も書くのは難しいですけど、話すのは簡単ですからね。発音を気にしなくていい。
どうでもいい話ですけど、昔、アメリカ人の大学生と話をしたことがあるのですが、そのとき「鋼の錬金術師」の話をしようと思ったんですよ。何故その漫画の話だったかというと、話題が思いつかなくて(笑) 当時、放送していたことと、海外にも人気があったことが頭をよぎったのでその話を振ってみたんです。
最初は「鋼の錬金術師を知っていますか?」と聞いてみたのですが、彼女はまだ来日したばかりで日本語が分からなかった。そのため「フルメタルアルケミスト」と日本語英語で言ってみたのですが、それでもダメ。仕方なく、気合を入れて「Do you know 『FULLMETAL ALCHEMIST』?」と言ったら、ようやく通じました(笑)
そのとき、「英語はきちんとした発音じゃないと通用しないんだ……」ということを改めて実感しましたね。彼女に会って話すまでは、暫く外国人の方と話すという機会がありませんでしたから、貴重な体験でした。
言葉は、自分の国の言葉であっても難しいのですから、他の国の言葉を学ぼうとする方々のエネルギーには尊敬してしまいます。
出来たら私も英語を少しずつまた勉強し直したいです。他の言語を学ぶと、日本語を別の角度で見ることができるますし……。と言ってますが、口先だけかもしれませんけど(笑)
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