Column7 「元旦の朝」?

 2021年も残すところあと数時間ですね。皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

 2021年から、『NIHONGO』を連載しはじめ、そろそろ10万字に到達しそうな勢いです。知らず知らずのうちに、驚くほど書いておりました(笑) これもひとえに素敵な読者の方々に読んでもらい、沢山応援いただいたお陰だと思っています。本当にありがとうございます。

 2022年もマイペースではありますが、のっそのっそと亀のように地道に続けて参りますので、どうぞこれからもよろしくお願いします(*- -)(*_ _)ペコリ


 そして折角なので、今回は年始にまつわる言葉のお話をしようかなと思います。


 ――元旦の朝。


 実は上記の例文は重言なのですが、ご存知でしたか?

 知らなかった方のために解説いたしますね。


 「元旦」は「元日の朝」のことです。「旦」は早朝のことを示しています。

 そのため、「元旦の朝」と書いてしまうと「元日の朝朝」と「朝」が重なってしまい、重言になってしまうのです。

 ただ、今は「元日」という意味でも使われるようにもなってきているので、普段誰かと話す分には問題ないと思います。

 また辞書でも「元旦の朝」の意味以外で、「元日」「一月一日」の意味として掲載されているものも多くなってきているので、それくらい「元旦」が「元日の朝」だけを示さなくなってきていることが言えそうです。

 ちなみに2021年の12月に発売された『三省堂国語辞典』の第八版は、他の辞書とは違う解釈を載せておりました。面白かったので一応掲載しておきますが、その理由を調べるには古典を調べないといけなくなるので、とりあえずこういう語釈を載せている辞書もあるんだなぁと思って下されば幸いです。


 以上、「元旦」についてでした。


 それでは皆さま、よいお年をお迎えください~!



【元旦】『明鏡国語辞典 第三版』

❶元日の朝。元朝がんちょう

▽「旦」は早朝の意。

注意:「一月元旦」「元旦の朝」は厳密な意味では重言。改まった場では、それぞれ「〇〇年元日」「〇〇年一月一日」、「元日の朝」などとしたい。矛盾表現となる「元旦の昼」「元旦の夜」なども避けたい。

❷一般に、元日。一月一日。


【元旦】『新明解国語辞典 第八版』

〔もの皆改まって感じられる〕元日(の朝)。


【元旦】『三省堂国語辞典 第八版』

①元日の朝。元朝。

②元日。

 ②は昔から例があり、漢字の意味とも合うが、今では違和感を持つ人もいる。

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