第5話 最終話!?
アの国のあと、沢山の国の魔王と戦ってきた。
砂漠にあるレの国は、ゴーレム族が支配する国。
どこのかしこもゴーレムしかいないわけだけど、ちゃんと生物だっていうから驚きだ。外皮部分が鉱石で覆われているんだってさ。
そこの魔王である巨大ゴーレムと戦った時は、流石にヤバかった。
単なるパンチが、大岩が降ってくるのと同じで一回まともに喰らって頭が吹っ飛んだよ。
復活して、弱点のコアを見付けてなんとか勝てたけどアレはヤバかった。
そのあと、例のごとく師匠に殺されたけどね。
巨大なオアシスにあるミの国は、他種族が集まるオアシスの国。
そこの水の妖精女王と戦った時は、何度が溺れ死にかけたけど何とか勝てたよ。
かなり美人の魔王でもったいなかったけど、見惚れたら師匠に爆破されたんで真剣に戦った。
もう涙を流しながらね!
でも、結局その後師匠に殺られたよ!
山岳地帯にある大きな商業都市があるデの国は、ドワーフたちが支配する国。
山から採掘される鉱石を使って、色々便利な道具を作るらしく、それを求めて沢山の魔族が集まってくるらしい。
中でも、魔導兵器なるものが目玉で、他の国にはない途轍もない威力を発揮するんだ。
え、なんで知っているかって?
もちろん、俺が直撃を食らって一回塵になったからよ。
でね、塵になったんだよ?なんで復活出来るんだ俺。
師匠曰く『魂さえ残っていれば、何回でも復活出来るから安心しな』だってさ。
いや、何を安心すればいいんだ?!
とにかく、ドワーフの魔王は豪傑で愉快な人だったのだけど、戦闘自体は強く無くてあっさり勝てた。
俺が殺したことになっているけど、師匠を見付けて鼻の下を伸ばした瞬間に、魔法で塵にされていたよ。
ご冥福をお祈りします。
っていっても、蘇生して名前を変えて従者になったんだけどね。
もちろん、俺の公開処刑もやったよ!
もう痛覚ないね、うん。
マグマが流れる地下溶岩都市があるムの国は、ドレイクが治める国。
ドレイクって、小型の竜みたいな奴です。
炎は吐くし、鱗は堅いし、牙には毒もある。
まぁでも、結局ドラゴンの劣化版なわけですよ。
俺って、ドラゴン何匹倒したか分からんくらいだし。
いやー、そんな余裕が仇になったね。
ドレイクの王は、炎じゃなくて溶岩を吐いてきてさ。
どんどん地面が溶けていくわけさ。
しまいにはサラマンダーっていう火の化身のトカゲまで呼び出すし、伊達に王じゃないよな。
最後は、氷系究極魔法を使って倒したんだけど、魔力ギリギリだったからやばかった。
俺が真剣に戦っている横で、師匠が氷魔法で涼しい部屋作って寛いでいたのには殺意を覚えたよ。まず、勝てないけどね。
つか、この溶岩の中で融けない氷の部屋って、究極魔法より難しくない?
ちなみに、ドレイク達はドラゴンほど知性が高くないので、俺の代わりに『私が支配者よ!』と足蹴にされるだけで済んで良かった。
死ななかったよ、セーフ。
「暑かったでしょ? じゃあ、次は涼しい所ね!」
と言って来たのは氷で覆いつくされたメの国。
ここに住むのは雪女や雪男などの氷の精霊達だ。
ここを収めるのは氷の女王で、こちらもかなり美人だけど表情が怖いので好みじゃないな。
ドレイクの王から奪った、サラマンダーを呼ぶアーティファクトを駆使してなんとか倒す事が出来た。
何度も氷にされて、本当に強かったよ。
最期に「これが人の温もりなのね」と言って亡くなった時は、涙が出たよ。
すぐに凍ったけど。
ここではなぜか機嫌が悪くなった師匠に、ギッタギタにやられて文字通り血祭りにされたわ。
相手が女性だと機嫌が悪くなるんだよなぁ。
──
──
──
そんなこんなで、魔族の国の半分を手中に収めた師匠だった。
政はすべて部下にやらせているけど、実権はすべて師匠が握っているわけだ。
このままきっと全魔族を従える大魔王となるんだろうな。
俺の、俺達の旅はまだまだ終わらない。
あと半分の魔族を相手にどれだけ戦えばいいのか。そして、あと何回死ぬんだろ……。
その後はきっと人間の国を支配しに行くのか?
まぁ、それはきっとさきの話。
Fin.
元おっさんが勇者として異世界に勇者として召喚されたら、召喚したのが女神じゃなくて魔女だった件 琥宮 千孝(くみや ちたか) @C_Kumiya
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