第77話「マリアの様子がおかしい5」


姫乃さんから言葉を濁しながら色々と教えてもらい、帰路につく。


言葉を濁しまくっていたせいで、ほとんど内容が入ってこなかったのは内緒だが、まぁ何となく察せということでしょう。


姫乃いわく、一ヶ月とかそこらの周期で回転することが多いとのこと。


あと、個人差という単語も連発していたかな。


症状としては、元気がなくなったり、イライラしたり、鬱になったり、逆に、すごく優しくなったり。


細かいことは知らなくても良いと言われたけど、念を押して言われたのは、「悪気はない。理解してほしい」ということだった。


まぁそうだよな。マリアは嫌なことはしっかりと言ってくれるし、そこは信頼している。



「ただいま」



家につくと、マリアが笑顔で出迎えてくれた。


ここ最近は、いつも以上に険しい表情をしていたので、すごく久しぶりに笑顔を見た気がする。



「おかえり」


「どうだった? 姫乃さんと話して」


「ほとんど世間話だったよ」


「マジか」


「でも、楽しかった。スッキリしたよ」


「そりゃ良かった」



居間に向かうと、姫乃から持たされた、先ほど裕太のお金で買った商品たちをマリアに渡す。


俺にはよくわからない代物だからな。



「ありがと」


「姫乃さんに持たされたものだよ。俺にはよくわからないから」


「分からなくて良いんだよ」


「似たようなことを、姫乃さんにも言われました」


「でも、ありがとう。ジュテーム、愛斗」



じゅ、じゅてーむ?


フランス語だっけ。この人、色んな言語使うんですね。


意味は分からないけど、嫌なことを言われてる気はさらさらしないので、まぁ良いです。



ー※ー


Je t’aime(ジュテーム)→英語で言うところの I love you (あなたを愛しています)


発音は、ジュテムの方がそれっぽいかも?(どうでもいいか)


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